モバイルデータのアップリンクトラフィック増加率がダウンリンクを上回った。写真=Ericsson

Ericssonは17日に公表した「Ericsson Mobility Report 2026年6月版」で、スマートフォンによるコンテンツ制作やクラウドサービス利用の拡大を背景に、モバイルデータのアップリンクトラフィック増加率がダウンリンクを上回る傾向が強まっていると明らかにした。あわせて、5G SAベースのネットワークスライシングの商用展開も広がっているとした。

報告書によると、調査対象の通信事業者55社のうち43社で、アップリンクトラフィックの増加率がダウンリンクを上回った。このうち17社では、アップリンクの増加率がダウンリンクの1.5倍を超えた。

アップリンクトラフィックは、利用者端末からネットワーク側へ送られるデータを指す。Ericssonは、今後、AIサービスの普及によってアップリンクの伸びが一段と強まるとみている。

AI関連トラフィックが上積みされれば、2031年のアップリンクトラフィックは2025年比で3倍超に増える可能性があるという。

Ericssonの最高技術責任者(CTO)、エリック・エクーデン氏は「フィジカルAIの時代への移行に伴い、データセンター中心の集中型モデルから、デバイスや車両、都市の各所に分散した自律型AIエージェント中心のモデルへ移っていく」と述べ、「トラフィックパターンも根本的に変化する」と強調した。

5Gの加入件数とデータ利用量も増加している。2026年1〜3月期の世界の5G加入件数は、前四半期比1億6200万件増の31億件だった。Ericssonは、2031年末には5G加入件数が64億件に達すると見込んでいる。

2025年末時点で、モバイルデータトラフィック全体に占める5Gの比率は48%だった。2031年末には85%まで拡大する見通しだ。モバイルと固定無線アクセス(FWA)を含むネットワーク全体のデータトラフィックは、2026年1〜3月期に前年同期比22%増となった。

5G SAベースのネットワークスライシングの商用サービスも増えている。関連する商用サービス数は、2025年11月の65件から2026年6月には84件へ拡大した。

ネットワークスライシングは、1つの通信網を複数の独立した仮想ネットワークに分割し、サービスごとに速度や遅延、安定性などの品質を確保する技術。現在、世界では約390社の通信事業者が5Gサービスを商用化しており、このうち90社超が5G SAを導入している。

5GベースのFWAサービスも拡大した。5G FWAを提供する通信事業者の比率は、2025年6月の57%から2026年には71%に上昇し、直近4年間で最大の年間増加幅となった。

通信速度別の料金プランを設けたFWAサービスを提供する事業者の比率も、同期間に51%から57%へ上昇した。Ericssonは、通信事業者がFWAを市場セグメントごとの収益化手段として活用し始めていると分析している。

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