ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインは米国とイランの停戦合意発表を受けて一時6万7000ドル台を回復した。ただ、デリバティブ市場の反応は鈍く、この上昇をトレンド転換とみなすには慎重な見方が残っている。

16日、Cointelegraphによると、ビットコインはドナルド・トランプ米大統領が15日夜にイランとの停戦合意を発表した後、一時急伸した。もっとも、先物やオプションの指標からは、強気転換を裏付けるほどの動きは確認されなかった。

他のリスク資産の動きとは温度差もあった。ブレント原油は16日、約100日ぶりの安値に下落し、ナスダック100指数は3%上昇した。中東情勢の緊張緩和が、景気後退懸念を和らげる材料として意識されたためだ。

一方、ビットコイン市場では、停戦合意の期限や海運を巡る詳細がなお不透明な点が警戒された。Yahoo Financeが指摘したように、現時点の合意内容は向こう2カ月程度に限られ、イランの海上運賃を巡る主張にも食い違いがあるという。

こうした警戒感はデリバティブ指標にも表れた。ビットコインの2カ月物先物の年率プレミアムは16日時点で2%にとどまった。中立水準とされる4%を3カ月以上にわたって下回っており、レバレッジをかけた買い需要の弱さを示している。

年初来で24%下落している値動きも重荷だ。今回の急伸で弱気ポジションには一定の打撃が出たものの、市場全体の見方を変えるには至らなかった。

実際、ビットコインは1日で4%上昇し、空売りポジション2億1000万ドル(約3150億円)が清算された。価格反発の勢い自体は強かったが、それが相場全体の確信には結び付かなかった格好だ。

ビットコイン現物ETFへの資金フローも同様のシグナルを示した。13日には8600万ドル(約129億円)の純流入となったが、これは機関投資家マネーの動向を映す指標とされる。

ただ、6月5日以降の累計では7億3000万ドル(約1095億円)の純流出が続いており、今回の流入だけで資金流出基調が反転したとみるのは難しい。強気派がなお、より明確な確認シグナルを待っているとの見方が出ている背景だ。

オプション市場では、下値ヘッジ需要の強さが目立った。ビットコインのプットオプションはコールオプションより16%高いプレミアムで取引されており、市場が下方リスクへの備えにより高い価格を支払っていることを示している。

ナスダック100指数が過去最高値まで1%弱に迫る水準まで上昇したのと比べると、暗号資産市場の慎重ムードはより鮮明だ。

今後の焦点は7万ドルを回復できるかどうかに移る。原油安が続いて景気後退懸念がさらに後退し、米連邦準備制度理事会(FRB)が引き締め色を弱める環境が整えば、ビットコインが再び勢いを取り戻す可能性もある。

ただ、現時点で市場が発しているシグナルは、短期的な急騰そのものより、その後の確認を重視していることを示している。

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