Googleは、低価格のAI有料プラン「Gemini AI Plus」の月額料金を4.99ドル(約755円)に引き下げた。あわせて付帯ストレージを従来の200GBから400GBに拡大し、機能面も強化した。米TechRadarが15日(現地時間)に報じた。
従来の月額料金は7.99ドル(約1,210円)だった。今回の改定により、「Gemini AI Plus」はOpenAIの「ChatGPT Go」(月8ドル)を下回る価格帯となった。
両サービスはいずれも、上位プランである「ChatGPT Plus」や「Google AI Pro」に移行する前の低価格帯プランという位置付けだ。上位プランはともに月20ドル前後とされる。
今回の見直しで焦点となるのは、無料版との違いだ。Googleは「Gemini AI Plus」で、無料版の最大2倍の利用上限を提供するとしており、動画生成機能も利用できるようにした。
無料プランでは、1日の利用量が上限に達すると、高性能モデルへのアクセスが制限されたり、画像生成など一部機能が使えなくなったりする場合がある。有料プランではこうした制約が緩和されるため、差別化しやすい構成といえる。
OpenAIも「ChatGPT Go」について、無料版より広いアクセス権を提供すると案内している。GPT-5.5 Instantへのアクセス拡大に加え、メッセージ数、ファイルアップロード、画像生成、メモリー機能の利用上限を引き上げたとしている。
もっとも、両社とも具体的にどの程度上限が増えるのかは明らかにしていない。需要に応じて上限が変動し得る設計としており、日々の利用可能量を固定的には示していない。
Googleは値下げにあわせて、提供機能も拡充した。「Gemini AI Plus」では、検索内の画像生成機能「ナノ・バナナ」が利用できるほか、「Google Flow」のクレジット200件も付与される。
AIベースの調査・執筆支援ツール「NotebookLM」も利用対象に含まれる。加入者は、ポッドキャスト形式の要約を自動生成する「Audio Overview」の利用上限が引き上げられるほか、プロジェクトや調査内容を整理するノートブック数も増える。
ストレージ拡大も特徴の1つだ。400GBの容量はGmail、Google Drive、Google Photosで共通して利用できる。AIチャットボット単体ではなく、Googleアカウント全体の付加価値として訴求する姿勢がより鮮明になった。
一方、「ChatGPT Go」は低価格プランながら、広告が表示される可能性がある。OpenAIは案内文で、このプランが「広告を含む場合がある」と明記している。
今回の価格改定は、AIサブスク市場の競争軸がモデル性能だけでなく、価格とバンドル内容へ広がっていることを示している。Googleはアクセス上限に加え、ストレージ、動画生成、NotebookLMといった周辺機能を組み合わせ、低価格プランの訴求力を高めた。
月20ドル前後の上位プランは負担が大きい一方、無料版の制限には不満がある――。そうした層の取り込みを狙った動きとみられる。今後は、実際の利用上限と、ユーザーがバンドル機能にどこまで価値を見いだすかが選択の分かれ目となりそうだ。