ビットコインが反発した。一時6万ドル台前半まで下落した後、足元では6万6000ドル前後を回復。中東情勢の緊張緩和に加え、機関投資家の継続買いが相場を支えたとの見方が広がっている。
15日付のBitcoin Magazineによると、ビットコインは同日、一時6万5844ドルまで上昇し、約2週間ぶりの高値を付けた。その後も6万6500ドル前後で推移し、戻り基調を維持した。
今回の反発は、5日に5万9000ドル台まで急落した後に鮮明になった。ビットコインはその後、直近7日間の安値となる6万909ドルを付けたが、そこから持ち直した。週間高値は6万6888ドルだった。
市場では、中東情勢の安定化が反発の主因になったとの見方が強い。ドナルド・トランプ米大統領は14日、自身のSNS「Truth Social」で、イランとの平和合意が完了したと発表した。
これを受け、市場ではホルムズ海峡の再開放や、約4カ月続いた軍事衝突の沈静化への期待が強まった。さらに、シェバズ・シャリフ・パキスタン首相も、レバノンを含む戦線で軍事作戦が停止されると確認した。関連する公式署名式は19日にスイスで開かれる予定としている。
地政学リスクの後退は原油市場にも波及した。国際指標のブレント原油は1バレル84ドル水準まで下落し、下げ幅は4%を超えた。
市場参加者の間では、原油高に伴うインフレ懸念や金融引き締め圧力、リスク資産回避の動きがそろって和らぎ、暗号資産市場全体のセンチメント改善につながったとの見方が出ている。暗号資産全体の時価総額も再び2兆3000億ドルを上回った。
機関投資家の買いも続いた。マイケル・セイラー氏が率いるStrategyは8〜14日に、ビットコイン1587BTCを約1億ドルで追加購入した。平均取得単価は6万3024ドルだった。
これにより、Strategyのビットコイン保有量は84万6842BTCに増えた。累計購入額は約640億7000万ドルで、平均取得単価は7万5656ドルとなる。
同社は同期間に普通株173万2553株を売却し、2億900万ドルを純調達した。手元資金は22億5000万ドルに増加。下落局面でビットコインを買い増しつつ、財務余力も確保する従来の方針を維持した格好だ。
米ダラス拠点の資産運用会社Striveも買い増しに動いた。Striveは2〜7日にビットコイン32BTCを平均6万3911ドルで購入した。現在の保有量は1万5391BTCで、時価換算では約12億ドル規模となる。
市場では、企業による継続的な買いが短期的な値動きとは別に、ビットコインの長期的な信認を示すシグナルとして受け止められている。Coinbaseのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は最近の値動きについて、「私の感覚では、現在の水準が底になる可能性が高い」と述べ、「6万ドル近辺が下値になる可能性がある」との見方を示した。
一方で、「正確な底を誰も断言することはできない」とも付け加えた。
アームストロングCEOは、ビットコインに対する長期的な強気見通しも改めて示した。ビットコインを「新たなデジタルゴールド」と位置付け、2030年には現在より大幅に高い水準で取引される可能性があると予想した。
足元のビットコイン価格は、昨年10月に記録した過去最高値12万6277ドルと比べると、なお約47%低い水準にある。ただ、5日に付けた安値との比較では、この10日間で11%超反発しており、回復基調を示している。
市場の関心は今後、中東地域の緊張緩和が持続するかどうかに加え、機関投資家の買いが一時的な反発にとどまらず、本格的な回復局面につながるかに集まっている。