NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは6月7日、ソウル市江南区のPCバンでKraftonのチャン・ビョンギュ議長、NCsoftのキム・テクジン代表と相次いで面会した。会談では、ゲームとAI分野での協業について意見を交わした。
フアンCEOは同日午後1時20分ごろ、新論峴駅近くのPCバンを訪れ、チャン議長のほか、チャン・テソク氏(バトルグラウンドIPフランチャイズ総括)、イ・ガンウク氏(Krafton最高AI責任者、CAIO)と会談した。現場では、入口で待っていたKraftonの経営陣とあいさつを交わす前に周辺の市民に声を掛ける場面も見られた。チャン・テソク氏と握手した際には、「PUBGを作った人だ」と言及したという。
関係者によると、会談ではヒューマノイドロボットを含むフィジカルAIや、NVIDIAのAI PCブランド「RTX Spark」を軸にしたゲーム分野での協業が主要な議題になった。
KraftonとNVIDIAは、ここ数年にわたり協力関係を広げてきた。Kraftonは主力タイトル「PUBG: BATTLEGROUNDS」に、AIと一緒にゲームを楽しむ「PUBG Ally」を導入したほか、人生シミュレーションゲーム「inZOI」には、キャラクターが実在の人間のように思考し行動する「Smart Zoi」機能を適用している。
両社の協力は、ゲームの枠を超えてフィジカルAIにも広がっている。Kraftonは2025年4月、主要経営陣が米カリフォルニア州のNVIDIA本社を訪れ、ロボットを含む次世代技術の協力の方向性を協議した。さらに2026年初めには、フィジカルAIの専門法人「Ludo Robotics」を設立。キム・チャンハンKrafton代表を米国本社CEOに、イ・ガンウクCAIOを韓国法人代表にそれぞれ選任した。
フアンCEOはKrafton経営陣との会談後、PCバン内で事前招待したゲーマーやインフルエンサーを対象に抽選イベントも行った。
チャン議長は今回の会談について、「昨年4月にキム・チャンハン代表がNVIDIA本社を訪れ、フアンCEOと会ったことが出発点になった。その後も継続してミーティングを重ねてきた流れの一つだ」と説明した。フアンCEOがPCバンを訪れた理由については、「NVIDIAは長年ゲームを基盤に成長してきた企業だ。ゲームからAIへと軸足を広げる中で、PCバンでその原点を確かめたかったのではないか」と述べた。
またチャン議長は、今回のイベントの意義をRTX Sparkに関連付け、「RTX SparkはゲームとAIが交わるチップだ。Kraftonもこれに合わせ、1〜2年かけてPUBG Allyを開発してきた」と語った。その上で、「ゲームとAIが交差する新たなプラットフォームの出発点のようなイベントだった」と話した。
フアンCEOはKraftonとの日程を終えた後、道路を挟んで向かい側にある「Portal PCバン」に移動し、キム・テクジンNCsoft代表、ペ・ジェホン副社長、イ・ソング上席副社長と面会した。
NCsoftは同日、このPCバンで多人数同時参加型オンラインRPG「AION2」の主要開発陣が参加する「Surprise Live」イベントを開催し、今後の開発方針とアップデート計画を紹介した。フアンCEOとキム代表はライブ配信にもサプライズ出演し、ゲーム産業とAI技術の発展の方向性について意見を交わした。
壇上に上がったフアンCEOは、ファンに向けて「みんなAION2を楽しんでいるか。誰が最高だ?(Who's the best?)」と呼び掛けた。さらに「NVIDIA GeForceと韓国のeスポーツは共に成長してきた」と述べ、「愛している、ありがとう」と感謝を伝えた。あわせて、自身のサイン入りGeForce RTX 5090 GPUを抽選でファンに手渡した。
NCsoftとNVIDIAの協力は今回が初めてではない。AION2には、NVIDIAの「DLSSフレーム生成」と「NVIDIA Reflex」技術が適用されている。また、NCsoftのAI子会社であるNC AIは、8日にNVIDIA主催で開かれる国内のロボット・AIスタートアップ向け非公開懇談会にも参加する予定だ。
フアンCEOは訪韓初日の5日にも、ソウル市麻浦区のPCバンでeスポーツチームT1の選手団と面会している。今回の訪韓でPCバンを拠点に韓国ゲーム業界との接点を相次いで持ったことは、NVIDIAが韓国のゲーム・AI市場を重要な協業先と位置付けていることを示した格好だ。