暗号資産 写真=Shutterstock

Binance Researchは、トークン化株式の普及によって、2031年までに世界の株式市場へ新規投資家約3億人と追加資金約2兆ドル(約300兆円)が流入する可能性があるとするレポートを公表した。暗号資産取引所が、世界の株式投資における新たな参入経路として浮上するとの見方を示している。

6月5日付のブロックチェーンメディア「Coinpost」の報道によると、同レポートは、株式のトークン化を株式市場の構造を変える「第3の転換点」と位置付けた。1602年のオランダ東インド会社による公開株式発行、1971年のナスダック電子取引所の開設に続く変化として、株式がパブリックブロックチェーン上で取引される局面に入りつつあると指摘した。

レポートは、中央集権型の台帳に依拠した市場から、時間や地域の制約が小さいオープンなインフラへ移行が進むとみている。

背景として挙げたのが、国ごとの株式投資へのアクセス格差だ。米国では国民の約62%が株式を保有している一方、米国外では株式市場への参加率が20%未満にとどまる国も少なくないとした。

また、米国株式市場が世界の株式時価総額の約半分を占める一方、米国外投資家の保有比率は約18%にとどまる点にも言及した。Binance Researchはこれを、国際金融市場における「構造的非対称性」と位置付けている。

実際、初期ユーザーは新興国に偏っていた。Binance Researchによると、Binanceの株式取引サービス利用者の約93%は新興国出身だった。

同社は、この結果について、株式投資機会に対する需要の強さを示すものだと分析する。従来は地理的制約や証券インフラの不足によって株式市場へのアクセスが難しかった個人が、暗号資産取引所を通じて投資機会を得ているためだ。

さらにレポートは、暗号資産取引所が将来的に、株式取引と資金管理機能を一体化した「金融スーパーアプリ」へ進化する可能性にも触れた。取引所が株式取引分野に本格参入すれば、証券口座の開設、海外送金、最低投資単位といった参入障壁の引き下げにつながるとしている。

こうした前提のもと、Binance Researchは、2031年までに暗号資産取引所を通じて世界の株式市場へ約2兆ドル(約300兆円)の追加資本が流入し得ると試算した。

市場インフラの面では、ステーブルコインの役割拡大を主要な変数として挙げた。これまで海外投資家は、銀行や証券会社を経由する送金に伴い、複雑な手続きやコストを負担してきたが、ステーブルコインを使えば、現地銀行を介して証券口座へ資金を移す負担の軽減につながるとした。

そのうえで、1取引当たり平均3.6%、金額にして約40ドル(約6000円)の手数料削減効果が見込めると推計している。

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