写真=Reve AI。共和党議員らは、トークン化証券には原資産基準を適用しつつ、暗号資産には重い資本負担を課す現行枠組みの不整合を指摘した。

米共和党の上院議員らが、銀行のデジタル資産に関する資本規制の見直しを金融当局に求めた。現行ルールは、ビットコイン(BTC)など暗号資産の保有に過大な資本負担を課しており、銀行の市場参入を事実上阻んでいると訴えている。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、上院銀行委員会のデジタル資産小委員会を率いるシンシア・ルミス議員を含む共和党の上院議員6人は5月27日、米連邦準備制度理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)に共同書簡を送付し、デジタル資産関連の資本規制基準を明確に整備するよう求めた。

書簡では、銀行のバランスシートに計上されるデジタル資産について、より公正で一貫性のある規制枠組みが必要だと主張した。

問題提起の背景には、米金融当局が今年3月に公表した、トークン化証券の資本規制の適用基準に関するFAQがある。FRB、FDIC、OCCは当時、トークン化資産の資本上の扱いについて、「資産のリスクは記録に用いる技術ではなく、原資産のリスク特性に基づいて判断すべきだ」と説明していた。共和党議員らは、この原則をビットコインやその他のデジタル資産にも適用すべきだと訴えている。

論点の中心にあるのは、国際的な銀行規制基準を策定するバーゼル銀行監督委員会(BCBS)の暗号資産資本規制だ。BCBSは2022年、デジタル資産に関する最終的な資本規制の枠組みを確定した。この基準では、一定の要件を満たさないビットコインなどの暗号資産に1250%のリスクウェートを適用する。

リスクウェートは、銀行が保有資産のリスクに応じてどの程度の自己資本を積み増す必要があるかを示す指標だ。1250%という水準は、事実上、資産額と同等の自己資本の積み増しを求めるのに等しい。

議員らはこれを「極めて厳格なカテゴリー」だと批判した。書簡では、現行の枠組みが個別資産のリスク特性を精査するのではなく、デジタル資産全体に一律で重い資本負担を課していると指摘。その結果、銀行がビットコインなどの暗号資産を保有したり、関連事業に参入したりすることが事実上難しくなっているとした。

また、技術中立性の観点からも一貫性を欠くと問題視した。当局はトークン化証券には原資産のリスクを基準に規制を適用する一方、それ以外のデジタル資産には別途高いリスクウェートを課しているためだ。規制は特定の技術実装ではなく、実際のリスク水準に基づいて設計すべきだとしている。

今回の動きは、米議会で進む暗号資産制度整備の議論とも重なる。議員らは、バーゼル委が11月に暗号資産資本規制の枠組み見直しを予定している点に言及した。あわせて、議会で審議中のデジタル資産市場構造法案であるCLARITY法案も、今後の規制の方向性に影響を与え得ると強調した。

市場では、今回の議論が銀行による暗号資産事業拡大の可否を左右するとの見方が出ている。高いリスクウェートが維持されれば、銀行はビットコインの直接保有や関連サービスの拡大で大きな制約を受ける。一方、資産ごとのリスク特性を反映した新たな規制枠組みが整えば、銀行の市場参加の余地が広がる可能性がある。

共和党議員らは書簡の末尾で、米金融市場の競争力とイノベーションを維持し、ドルの国際的地位を強化するため、規制当局と協力していく考えを示した。

今後の焦点は、FRB、FDIC、OCCがデジタル資産全般に関する新たな資本規制ガイドラインの策定に動くかどうかにある。加えて、バーゼル規制の見直しと米議会の立法論議がどのように結び付くかも注目される。

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