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Rippleの銀行識別子一覧がSNSやオンラインコミュニティで拡散し、「500超の金融機関と接続している証拠」と受け止める見方が広がっている。だが、実際には国際送金のルーティング設定に用いる技術資料で、商用導入やXRPの大規模採用を直接裏付けるものではないようだ。ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが4日(現地時間)に報じた。

話題となったのは、Rippleの決済インフラ関連文書の一部を切り取った画像だ。文書には欧州、英国、アジア、オセアニアなどの銀行識別子やルーティングコードが地域別に整理されており、数十カ国、500超の金融機関が掲載されているように見える。このため一部の投資家の間で、Rippleの銀行ネットワーク拡大やXRP採用拡大の兆候だとの解釈が広がった。

ただ、報道によると、この資料はRippleの国際決済サービス「Ripple Payments」の開発者向けドキュメントの一部だ。過去にオンデマンド流動性(ODL)と呼ばれていた決済インフラに関連し、送金先の金融機関を正確に指定するための識別情報をまとめたものとされる。特定の銀行向け送金で適切な清算ルートを設定するための技術資料という位置付けだ。

実際、Rippleはこの文書を報道資料や投資家向け発表で主要な実績として打ち出していない。経営陣が新たな提携先や金融機関の採用事例として紹介した事実も確認されていないという。

掲載行数が多く見える背景には、地域ごとに異なる決済システムの存在がある。欧州経済領域(EEA)では国単位の識別体系が使われるケースが多く、記載は主に国別コードになる。一方、ベトナムなど一部の国では銀行ごとの個別識別体系を採用しており、1カ国だけでも多数のコードが並ぶ。このため、見た目上はネットワーク規模が大きく映りやすいが、それは送金ルートの設定方式の違いを反映したものにすぎず、掲載先の銀行がすべてRippleと商用契約を結んでいることを意味しない。

専門家は、技術的に送金先として指定できることと、実際にその銀行がRippleの決済ネットワークを採用していることは分けて考えるべきだと指摘する。今回の文書から分かるのは、Rippleのインフラが特定の銀行宛て送金に対応できるよう設計されているという点までで、その銀行が実際にRippleのネットワークを利用しているかどうかは読み取れない。

同様に、その金融機関がXRPを流動性手段として使っているか、Rippleの決済ソリューションを本番環境に導入しているか、どの程度の取引量が発生しているかといった情報も示されていない。The Crypto Basicはこれを高速道路の出口標識に例え、出口の数が多いことは行き先の多さを示しても、実際にどれほど車が通行しているかまでは分からないと説明している。

もっとも、この文書に意味がないわけではない。RippleがEEA、英国、アジアの主要送金市場を視野に、詳細な決済ルーティングを整備してきたことはうかがえる。とりわけ、銀行別のルーティング体系が複雑なベトナムのような国まで反映している点については、現地の金融システムや規制環境への理解に加え、長期にわたる統合作業が前提になるとの見方もある。

ただし、この文書だけではなお重要な情報が欠けている。掲載された金融機関がRippleと契約しているのか、実際の取引量はどの程度なのか、どの機関がRippleエコシステム内で活発に利用しているのか、XRPやRLUSDを実際の流動性手段として使っているのかは確認できない。Rippleの市場での普及度を見極めるには、提携発表や取引量、四半期報告書、独立したブロックチェーン分析など、追加の根拠が必要だとする指摘もある。

結局のところ、今回の銀行識別子一覧はRippleの決済インフラ整備の水準を示す資料ではあっても、オンラインで広がった「Rippleが500超の銀行と接続している」との解釈をそのまま裏付けるものではない。文書が示しているのは大規模なXRP採用ではなく、実運用を想定した詳細な送金ルート設計だ。市場が確認すべきなのは文書の見た目の規模ではなく、その基盤の上で実際にどれだけの機関と取引が動いているかにある。

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