XRPが1.15ドル前後まで下落し、弱気相場の長期化を警戒する見方が強まっている。一方で、オンチェーン指標や機関投資家の資金動向からは、売り一辺倒ではなく蓄積が続いている可能性も浮上している。
The Crypto Basicが4日に報じたところによると、市場では今回の下落について、構造的な崩れではなく「弱気の罠」にとどまる可能性があるとの見方が出ている。
XRPは2025年7月に付けた高値3.65ドルから、2026年6月初めには1.15ドル水準まで下落し、下落率は約66%に達した。5月末に1.33ドルだった価格は、6月1日に1.29ドル、2日に1.21ドルへと水準を切り下げ、5日には1.15ドル台まで下押しされた。
下落率は1週間足らずで約11%に及び、時価総額は80億ドル超減少したとみられる。
ただ、大口投資家や機関投資家の動きは、足元の値動きとは異なる。直近では2500万XRP超が取引所の外部に移され、1万XRP以上を保有する「クジラ」ウォレットは33万2230件と過去最多を更新した。
2025年10月以降、コールドウォレットに移されたXRPも20億XRPを超えた。市場心理が悪化する局面でも、長期保有目的の資金は大きく流出していないことを示す材料とみられている。
機関投資家マネーの流入も続いている。XRPの現物ETFは2026年5月の1カ月間で、年初来最大となる1億3194万ドル(約198億円)を集めた。
市場では、長期下落局面では確信度の高い投資家や機関投資家まで売りに回ることが多いが、足元のXRPではそうした兆候は限定的だとの見方が出ている。
デリバティブ市場の構造も、反発余地を意識させる要因の一つだ。足元では売り持ちが買い持ちを約9対1で上回っている。
投資家のポジションが一方向に偏っているため、好材料が出ればショートカバーが一斉に進み、相場を押し上げる可能性があるという。
テクニカル面でも売られ過ぎを示すシグナルが出ている。XRPの相対力指数(RSI)は27.55まで低下し、ストキャスティクス・オシレーターも深い売られ過ぎ圏に入った。
市場で下値支持線として意識されているのは1.20ドルだ。XRPはこれまで1.00〜1.20ドル帯を複数回試してきたが、日足・週足ベースでこの水準を明確に割り込んで引けた局面はまだない。
一方、1.20ドルを出来高を伴って下抜ければ、次の下値めどとして1.00ドルや0.90ドルが意識される。Crypto Patelは1.10〜1.30ドルを主要な蓄積ゾーンと位置付ける一方、この水準を割り込んだ場合は0.65〜0.85ドルまで下値余地が広がるとの見方を示した。
価格の弱さとは対照的に、XRPエコシステムの拡大は続いている。XRP Ledger(XRPL)のトークン化実物資産(RWA)市場規模は、2026年初めの9億9100万ドル(約149億円)から、6月初めには35億ドル(約525億円)へ拡大した。
Chicago Mercantile Exchange(CME)は6月にXRP先物市場を開始した。Rippleも2026年に入り、機関投資家向けの提携を拡大している。
また、米ワシントンD.C.では暗号資産関連法制を巡る議論が進む中、政策対応の動きも強まっている。XRPL上では、JP Morgan、Mastercard、Ondo Financeと米国債トークン化のパイロットも進められている。
RLUSDステーブルコインの時価総額は、Ethereumレイヤー2への拡張後に18億ドル(約270億円)に達した。
先行きを左右する最大の変数として注目されているのが、米国の規制動向だ。5月に上院銀行委員会を超党派の支持で通過したClarity法案は、8月の休会前に上院で採決される可能性が指摘されている。
同法案が成立すれば、XRPを証券ではなくデジタル商品として位置付ける道が開ける可能性がある。Standard Charteredのジェフリー・ケンドリック氏は、Clarity法案の成立とETFへの資金流入拡大を前提に、XRPの年末目標価格を8ドルに据え置いた。
短期的には、6月末までレンジ相場が続く可能性もある。オプション市場では、6月満期の重要な価格帯として1.40ドルが挙げられている。
一方で、6月は1.20〜1.46ドルのレンジにとどまる可能性があるとの見方も出ている。
市場の焦点は、1.20ドルを維持できるかどうかに加え、規制を巡る材料や、売り持ち偏重が実際にショートスクイーズにつながるかどうかに集まっている。今回の下落が弱気の罠で終わるのか、それとも一段安の起点となるのかは、今後3〜4週間でより鮮明になりそうだ。
SNS上では、「過去の蓄積局面では大幅上昇につながった」として、今回の下落を2度目の買い場と捉える見方も拡散している。一方で、支持線を割り込めば0.85〜0.65ドルまで下落余地が広がるとの警戒もくすぶっている。