写真=マイケル・セイラー氏、公式サイトより

ビットコインの足元の調整局面を巡り、Strategyのマイケル・セイラー氏は4日(現地時間)、下落の主因は資産自体の構造問題ではなく、AI分野への大規模な資金シフトにあるとの見方を示した。5月14日以降、ビットコイン現物ETFからは約40億ドルが流出し、相場の重荷になっているという。

ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」によると、セイラー氏はX(旧Twitter)への投稿で、今回の下落についてビットコインのファンダメンタルズ悪化や構造的な毀損を示すものではないと説明した。暗号資産以外の投資先に資金が振り向けられ、ビットコイン市場への新規資金流入が細っていると指摘している。

とりわけ、AIがグローバル市場の主要テーマとして浮上するなか、投資マネーが関連スタートアップや既存企業に向かっていると分析した。こうした資金再配分が、ビットコインを含む他の金融商品の需要を押し下げているとの認識だ。

同氏によれば、直近6カ月でAI分野には4000億ドル超が流入した。ウォール街の大手機関投資家の関心も集まっているという。

ビットコイン現物ETFの資金動向も、この見方を裏付ける材料として挙げた。セイラー氏は、5月14日以降にビットコイン現物ETFから40億ドル(約6000億円)が流出し、価格に下押し圧力をかけていると説明した。現在の調整はビットコイン固有の問題ではなく、「キャピタル・ローテーション(資金シフト)」だと位置付けている。

価格調整も大きい。ビットコインは5月14日に8万2035ドルを付けた後、足元では6万4000ドル近辺まで下落し、下落率は22%に達した。

市場では、Strategyが32BTCを250万ドル(約3億7500万円)で売却したと公表した後、弱気ムードが強まったことにも注目が集まっている。ただ、セイラー氏は相場下落の直接的な引き金は売却ではなく、AI分野への資金移動にあるとの立場を示した。

ETF市場では、流出超の傾向がデータでも確認されている。BloombergのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、ビットコイン現物ETFが13営業日連続で純流出となり、この間に44億ドル(約6600億円)相当のビットコインが売却されたと明らかにした。

さらに、直近19営業日のうち17営業日で純流出が発生し、投資家の引き出し総額は56億ドル(約8400億円)に達したという。その結果、年初来の累計資金フローはマイナス21億7000万ドル(約3255億円)に転じたとした。

一方、年初来で純流入を維持しているETFもある。BlackRockの「iShares Bitcoin Trust」(IBIT)やGrayscaleの「Mini Bitcoin Trust」(BTC)など一部ファンドは、今年も資金流入基調を保っている。

また、ビットコイン現物ETF全体の累計純流入額は540億ドル(約8兆1000億円)と集計された。上場から2年余りの商品群であることを踏まえると、累計ベースではなお資金流入超の状態にある。

今後の焦点は、ビットコイン固有の問題の有無というより、リスク資産の中で進む資金再配分がどこまで続くかに移りつつある。現物ETFからの流出が収束するか、AI投資への過熱がビットコイン需給の重荷となり続けるかが、当面の注目点となりそうだ。

セイラー氏はXで、「資本市場は歴史的な規模でAIの構築に資金を投じている。約6カ月で約4000億ドルが流入した。5月14日以降、ビットコインETFは約40億ドルの流出となり、BTCに圧力を与えている。これはビットコインの毀損ではなく、資本の回転だ。ボラティリティは機会を生む」と投稿した。

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