ビットコイン(BTC)が6万2000ドルを下回り、Strategyが保有するビットコインの評価損は約108億ドルに膨らんだ。過去6年間の平均取得コストベースでみた含み損率は約17%に達し、株価も高値から77%下落している。Cryptopolitanが4日付で報じた。
ビットコインはこの日序盤に一時5%超下落し、2月6日以来初めて6万2000ドルを割り込んだ。中東情勢の緊迫化を背景にリスク資産への選好が後退し、市場全体の重荷となった。週間下落率は約16%に達した。
こうした下落の直前、Strategyは5月26日から31日にかけて32BTCを1BTC当たり平均7万7135ドルで売却していた。開示は後ずれし、市場には6月1日に明らかになった。
売却規模そのものは総保有量に比べて小さい。ただ、同社は長年にわたりビットコインの積み増しを経営戦略の柱としてきたため、市場では象徴的な動きと受け止められた。マイケル・セイラー氏が過去に「ビットコインを売るくらいなら先に腎臓を売れ」と発言していたこともあり、反響は一段と大きかった。
売却後、Strategyのビットコイン保有に伴う評価損は約118億ドルに達した。株価は今週だけでも約18%下落。Strategy関連の商品として知られるMSTU、MSTY、MSTXでも値動きの荒さが目立った。
株式市場全体との比較でも、同社の振れの大きさが意識されている。同期間にS&P500が約116%上昇したのに対し、Strategyはビットコイン相場の下落に連れて大きく変動した。財務運営をビットコイン中心に据える戦略の耐久性が、あらためて問われる構図となっている。
暗号資産市場全体も軟調だった。ビットコインは一時6万1351ドルまで下落し、イーサリアム(ETH)は1800ドル割れ、ソラナ(SOL)は69ドル、XRPは1.17ドルまで値を下げた。
直近24時間の清算額は約16億3000万ドルで、このうち13億8000万ドル超をロングポジションが占めた。
需給面の悪化も鮮明だ。米国のビットコイン現物ETFは6月3日、1日で3億9660万ドルの純流出を記録した。5月15日から13営業日連続の純流出という。現物ETFへの資金流入が買い需要を支えきれず、相場の下押し圧力が強まった格好だ。
予測市場のPolymarketでも、Strategyの売却を巡る思惑が反映された。トレーダーは5月31日まで同社がビットコインを売却しないとの見方に賭けていたが、実際には同期間中に32BTCが売却され、その事実は1日遅れて公表された。該当契約の取引規模は約8000万ドルだった。
機関投資家の買いの鈍化も確認されている。Glassnodeのデータによると、5月の上昇局面では1000〜1万BTCを保有するウォレットが買いを主導した。こうした層は、機関投資家や大口保有者の動向を映しやすい。
一方、6月に入ってからは同層の活動が鈍り、調整局面では小口ウォレットと超大型のクジラが相対的に積極的な買い手になったとされる。
上場企業によるビットコイン保有が合計124万BTC規模に達している点も、相場変動要因として意識されている。財務戦略の一環としてビットコインを保有する企業が追加売却に動けば、企業保有分を起点とする売り圧力が市場に直接及ぶ可能性がある。
ビットコイン相場が反発に向かうかどうかは、現物ETFの資金フロー、大口保有者の買い戻し、そして上場企業による追加売却の有無が焦点となりそうだ。