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6月3日の地方選挙の終了を受け、金融業界の関心が金融当局と国会に移っている。選挙日程の影響で後回しとなっていた主要な金融政策や関連法案の議論が、下半期に再開する可能性が高まっているためだ。

金融業界によると、選挙後は金融持ち株会社のガバナンス改革、非居住の1住宅保有者を対象とするチョンセ融資規制、ボイスフィッシング被害の無過失補償責任制度、デジタル資産基本法、庶民金融法改正案など、停滞していた論点が改めて俎上に載る見通しだ。

いずれも経営体制やコスト負担、新規事業戦略に直結するテーマだ。これまでも議論は続いてきたが、選挙日程や政局、利害調整の難しさから結論は先送りされてきた。

まず注目されるのが、金融持ち株会社のガバナンス改革案だ。定時株主総会前の3月公表が有力視されていたが、発表は見送られた。

表向きには会長兼最高経営責任者の選任手続きの透明性向上が柱とされるが、実際の焦点は会長の長期在任をどこまで制度的に制限できるかにある。

当局は、会長の3期連続再任を制限する内容を法令に明記する案や、役員候補推薦委員会の構成見直しを検討している。委員会を全員社外取締役で構成し、候補推薦の際に委員全員の署名を求める案も取り沙汰されている。

このほか、金融事故発生時に役員賞与の返還を求めるクローバック(Clawback)、役員報酬に対する株主統制の強化、社外取締役の任期の差異化なども議論の対象となっている。

金融業界が制度公表の時期に敏感になっているのは、下半期の会長選任日程と重なるためだ。11月にはKB金融グループの会長選任手続きが予定され、来年3月にはiM金融グループでも次期会長の選出を控える。

改革案の確定時期や内容次第では、金融持ち株会社の取締役会運営や候補者管理のあり方が変わる可能性がある。

◆融資規制や補償制度、業界負担の拡大に懸念

家計向け融資規制も再び焦点となりそうだ。金融当局はこれまで、不動産に偏った資金の流れを産業やイノベーション分野に振り向ける「生産的金融」の方針を打ち出してきた。

融資規制が続くなか、非居住の1住宅保有者に対するチョンセ融資規制まで検討対象に加われば、銀行の融資営業環境は一段と厳しくなる可能性がある。

金融当局は、首都圏および首都圏の規制地域にあるマンションについて、1住宅保有者が利用するチョンセ融資の規模を把握しつつ、制度設計を進めている。実際に規制に踏み切る場合は、投機目的と実需をどう線引きするかが争点になる。

地方勤務や子どもの教育、一時的な転居といった非投機目的まで規制対象に含まれれば、チョンセ市場や実需層への影響が広がる可能性がある。

ボイスフィッシング被害の無過失補償責任制度も、金融業界にとって大きな負担要因として浮上している。通信詐欺被害返還法改正案には、金融会社の過失の有無にかかわらず、被害者に被害額の一部または全額を補償する内容が盛り込まれた。

被害救済の範囲拡大が狙いだが、金融業界では責任範囲が過度に広がるとの懸念が強い。

とりわけ高齢者や脆弱層を中心に被害が増え続けるなか、金融会社にどの水準まで補償責任を負わせるのかが主要な論点になる見通しだ。補償上限によっては、金融業界全体の負担が年間数千億ウォン規模に膨らむ可能性もある。

これに対し主要銀行は、立法論議とは別に、人工知能を活用した異常取引の検知、詐欺口座情報の共有、金融詐欺対策の専担組織の新設など、独自の予防体制を強化している。

庶民金融法改正案も、下半期の包摂金融を巡る議論とあわせて再浮上する可能性がある。国会には、政策庶民金融の供給拡大に向けた財源調達の仕組み整備や、庶民金融振興院内に庶民金融安定基金を設置する内容の改正案が継続審議案件として残っている。

金融業界は、追加拠出やコスト負担の拡大につながりかねないとして警戒している。包摂金融の拡大という政策の方向性そのものに大きな異論はないものの、負担主体と負担水準を巡って議論が長引く可能性がある。

◆デジタル資産基本法、下半期に審議加速なるか

デジタル資産基本法も、下半期の重要テーマの一つだ。ウォン建てステーブルコイン、ビットコイン現物ETF、預金トークン、トークン証券など、デジタル金融関連事業は急速に広がっている一方、法制化は追いついていない。選挙後に議論が再開されるとの見方が出ている。

これまで発行主体、準備金の積み立て方式、償還義務、取引所の大株主の持分制限といった主要論点の整理が進まず、立法は遅れてきた。

ステーブルコインは既存の銀行モデルにも影響を及ぼし得る。決済や送金の手段として定着すれば、預金の一部が準備資産へ移り、決済機能そのものもブロックチェーン基盤へ移行する可能性があるためだ。

銀行業界がデジタル資産市場を単なる新規事業ではなく、防衛すべき領域と捉える背景にはこうした事情がある。

もっとも、金融業界では、選挙後に政策論議が再開する可能性は高まったものの、実際の処理速度はなお見極めが必要だとの見方が強い。国会後半の構成や常任委員会の運営方針、与野党間の政局課題によっては、金融関連法案が再び後順位に押しやられる可能性があるためだ。

金融業界関係者は「選挙後に止まっていた議論が動き出す可能性はあるが、案件ごとに利害関係が複雑で、短期間で結論が出るとは限らない」と話す。「ガバナンス改革案もすぐに出るとみられていたが先送りになった。他の論点も同時に金融業界の負担として作用する可能性があり、動向を注視している」と述べた。

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