OpenAI社内で最も多くAIを利用する従業員の月間トークン使用量が、1000億トークンに達していることが分かった。サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が関連イベントで明らかにしたもので、AI業界では利用拡大が進む一方、企業ユーザーの間でコスト管理や費用対効果への関心が一段と高まっている。
Business Insiderが3日(現地時間)に報じたところによると、アルトマン氏はこのイベントで、世界で最も多くトークンを使っているのはOpenAI社員ではないとも述べた。
同氏によれば、6年半前のOpenAIでは、最も多く使うユーザーでも月間使用量は約10万トークンだった。当時としては世界最高水準だった可能性が高いという。だが現在は状況が大きく変わり、当時の月10万トークンは、いまでは世界全体の1人当たり平均使用量に近い水準になったと説明した。そのうえで、社内の最大利用者は月1000億トークンに達しているとした。
もっとも、OpenAI社内の記録がそのまま世界最高というわけではない。アルトマン氏は、OpenAIの外部にこれを上回る利用者がいることを確認していると述べた。AIモデルの積極利用を促す企業文化があるなかで、社外ユーザーが社内記録を超えていることになる。
OpenAI社内では、トークン使用量を競う文化が根付いているという。従業員の使用量ランキングを示すリーダーボードがあり、一部の社員はX(旧Twitter)で自らの利用量を共有している。OpenAIがトークン課金型の事業構造を持つことも、こうした利用拡大の流れと無関係ではない。
アルトマン氏が触れた月1000億トークンを上回る事例も報告されている。OpenCLの開発者であるピーター・スタインバーガー氏は、30日間で6030億トークンを使用した画面を公開した。The New York Times(NYT)は、OpenAIの従業員1人が1週間で2100億トークンを使ったと報じている。
一方、業界全体ではAI利用の拡大とコスト抑制の両立が課題になっている。Amazonはトークン使用量のリーダーボードを廃止した。Uberも、最高執行責任者(COO)が支出負担の増大に言及した後、利用上限を設けたとされる。アルトマン氏は、企業顧客の間で「2026年の予算を第1四半期で使い切ってしまった。もっと効率化できないか」といった趣旨のミームが出回っていることにも言及した。
OpenAIでも、コストはもはや周辺的な論点ではなくなっている。アルトマン氏は、モデル性能を高め続けながら、「より低いコストで、より大きな価値」を提供する方法を探っていると説明した。2026年初めにはコスト問題がほとんど話題に上らなかったが、足元ではAIコストが重要なテーマになっているという。
AI企業が利用量の拡大を成長指標として追う一方、企業ユーザーは実際の費用対効果をこれまで以上に厳しく見極め始めている。トークン使用量の競争が続くなか、OpenAIを含むAI企業には、利用拡大だけでなくコスト低減をどこまで説得力を持って示せるかが問われている。