写真=Reve AI

ビットコイン(BTC)を大量保有する上場企業の平均取得単価が7万8777ドルまで上昇し、足元の相場水準では平均12%前後の含み損を抱える局面に入った。最大保有企業であるStrategyの小口売却も重なり、市場では財務負担の増加や追加的な売り圧力への警戒が強まっている。

3日(現地時間)、The Blockの報道によると、同メディアのリサーチャー、スティーブン・ペリーは、ビットコインを保有する上場企業群の加重平均取得単価が7万8777ドルに上昇したと分析した。現在のビットコイン相場を前提にすると、少なくとも12%程度の含み損水準にあるという。

この分析が注目を集めている背景には、ビットコイン保有企業として最大規模のStrategyが最近、売却を開示したことがある。同社は米証券取引委員会(SEC)に提出した8-Kで、5月26日から31日にかけて計32BTCを売却したと公表した。

売却量は総保有量の0.004%にも満たない。ただ、市場では規模の小ささ以上に、象徴的な取引として受け止められた。

Strategyは現在、約84万3706BTCを保有しており、平均取得単価は7万5699ドル。総取得額は約639億ドル(約9兆5850億円)に上る。

同社は今回の売却で約250万ドル(約3億7500万円)を確保し、優先株「STRC」の配当支払いに充てたとしている。

市場が注視したのは、売却規模そのものよりも、そこから読み取れるメッセージだ。創業者で会長のマイケル・セイラーはこれまで、ビットコインを事実上恒久的に保有する方針を繰り返し示してきた。

そのため一部の投資家は、今回の売却を従来方針の変化を示す動きとみている。

市場の反応も大きかった。Strategy株は2日の終値ベースで13.7%下落し、136ドルとなった。

同社が前回ビットコインを売却したのは2022年12月。当時は税務上の損失確定を目的に売却した後、すぐにそれを上回る量を買い戻していた。

業界では、上場企業の平均取得単価が上昇した背景として、この2年間の積極的な買い増しを挙げる。ペリーによると、2024年11月以前には主要なビットコイン保有上場企業の平均取得単価は3万5000〜4万ドル程度だった。

その後、Strategyが保有量を約33万5000BTCから57万4000BTCへ積み増す過程で、平均取得単価は6万2000ドル前後まで上昇。さらに買い増しが続き、現在の水準に達したという。

ビットコイン相場が軟調な局面では、企業の財務負担も重くなる。Strategyの場合、現在のビットコイン価格を基準にすると、含み損は約75億7000万ドル(約1兆1355億円)に達すると推定される。損失率は約11.9%とされた。

また、現金同等物は直近4カ月で約60%減少し、9億ドル(約1350億円)規模まで縮小した一方、優先株の配当負担は年約16億5000万ドル(約2475億円)まで膨らんだとの分析もある。足元の現金保有額では、配当支払いを賄えるのは約7カ月分にとどまるとの試算だ。

市場では、こうした財務負担が今後の追加売却圧力につながる可能性にも関心が集まっている。ペリーは、規模の小さいビットコイン保有上場企業が長期の含み損を回避するために売却へ動けば、市場全体の売り圧力が強まる可能性があると指摘した。

一方、セイラーは最近のインタビューで、一部売却が長期戦略の転換を意味するものではないと強調した。ビットコインが実際に売却可能な資産であることを示す必要があり、それによって信用格付けの過程で資産価値として認められると主張している。

また、月間保有量の一部を売却しても、それを大きく上回る量を再び買い付けることは可能だと説明した上で、Strategyは今後もビットコインの純買い手(net buyer)であり続けると述べた。

業界では、今後のビットコイン相場に加え、Strategyを含む主要保有企業の追加的な売買戦略が相場心理を左右する重要な要因になるとみている。平均取得単価が切り上がった局面では、価格変動が企業業績や投資家の信認に及ぼす影響も一段と大きくなりそうだ。

キーワード

#ビットコイン #BTC #Strategy #The Block #SEC #含み損 #STRC
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.