【台北(台湾)=DigitalToday チュ・ヒョヌ】Synologyは、6月2〜5日に台北南港展覧センターで開催中の「COMPUTEX 2026」に出展し、企業向けストレージの新製品とAI機能を発表した。データ保護や映像監視、家庭向け製品の新モデルもあわせて公開している。
今回の中心となるのは、企業向け高性能ストレージのXS+/XSシリーズとFSシリーズだ。XS+/XSシリーズは、シーケンシャル読み取り最大6700MB/s、同書き込み最大4300MB/sに対応。拡張時の生容量は1.5PB超で、GPUカード搭載オプションも用意し、AIワークロードも視野に入れる。
オールフラッシュのFSシリーズは、4Kランダム読み取り最大99万IOPS、同書き込み最大27万IOPSを実現。100/50/25GbE接続に対応し、こちらもGPUカードオプションを備える。高い演算性能が求められる企業環境を想定した構成という。
■エンタープライズ向けストレージを刷新
PASシリーズの新製品「PAS7700」も投入する。アクティブ・アクティブ構成のオールフラッシュNVMeストレージで、4Kランダム読み取りは最大200万IOPS、64Kシーケンシャル読み取りは30GB/s、レイテンシーは1ms未満。拡張時の生容量は最大1.6PBとなる。
2ノードが同時に読み書きを処理する設計を採用し、単一障害点(SPOF)を排した高可用性を訴求する。
スケールアウト型のオブジェクト/ファイルストレージ「GS3400」も披露した。48ノード構成でシーケンシャル読み取り70GB/s、最大生容量13.8PBを実現する。SMB、NFS、S3をサポートし、発売時期は後日公表する予定だ。
ストレージ効率化機能も強化した。新たに披露した「Synology Tiering」は、利用頻度の低いデータを低コストのコールドティアへ自動移動し、高性能ストレージを中核業務に優先配分できるようにする機能だ。
あわせて、重複排除と圧縮を同時または個別に利用できるデータ削減機能も搭載した。ただし、この機能はSynology専用HDDとSSDでのみ利用できる。
■DSM向けAI機能を拡充
ソフトウェア面では、AI機能の拡充が目立つ。Synologyは「AI Ready Platform」を掲げ、AIベースのコンテンツ生成、検索、ワークフロー自動化を組み込んだソリューションを公開した。
コンテンツ生成機能では、機密データを自動でマスキングしたうえで、クラウドベースの大規模言語モデル(LLM)連携またはセルフホスト型LLMに対応する。AI検索は、自然言語で非構造化データを検索できる。MCPサーバーを介した自然言語ベースのNASワークフロー自動化機能は、順次提供する予定だ。
GPUカード対応モデルで利用できる「DSMエージェント」も発表した。セキュリティインシデントの調査、バックアッププロセスの検証、日常業務の簡素化を単一インターフェースで提供する。Synologyによると、「DSMエージェント 1.0」はAI支援機能とトラブルシューティングを担い、次期「2.0」では本格的なAIエージェント基盤へ拡張する計画だ。
■データ保護と映像監視も強化
データ保護分野では、Azure、AWS、Google Workspace、Nutanixへの対応を新たに追加した。ActiveProtectアプライアンスでは、1Uと2Uの新しいラックマウントモデルも公開した。
映像監視分野では、ディープビデオ分析(DVA)対応の新製品「DVA7400」「DVA3000」に加え、360度魚眼カメラ「FC600」、4MPドームカメラ「DC400」、5MP/8MPドームカメラ「DC500Z」「DC800」で構成する新たなカメラ製品群も発表した。
家庭向けでは、「BeeStation Plus 4TB」と、AIベースの人物・ペット・車両検知機能を備えた「BeeCamera」を投入した。
Synologyのブースは、会期中にTaiNEX 1ホールJ0102で午前9時30分から午後5時30分まで開設する。6月4日午前11時には、Synologyのマネージングディレクターを務めるマイク・チェン(Mike Chen)が、「デジタル主権の重要性」をテーマに基調講演を行う予定だ。