Snowflakeは6月2日(現地時間)、データガバナンス基盤「Horizon Catalog」を刷新したと発表した。AIエージェントのガバナンス、ビジネス文脈の共有、セキュリティ機能を一体で強化し、全社で統一した定義に基づくデータ活用を支援する。
中核となるのは、新機能「Horizon Context」だ。企業内に分散するビジネスロジックを集約し、各種ツールやチーム、AIエージェントが共通のデータ定義に基づいて動けるようにする。
同社はその例として、AIエージェントが売上データを基に価格引き上げを提案するケースを挙げる。システムごとに「売上」の定義が異なれば、誤った判断につながる可能性があるという。
こうした課題に対応するのがHorizon Contextだ。ユーザーは「Semantic Studio」を通じ、SQLの専門知識がなくても共通のビジネスロジックを定義できる。「Semantic View Autopilot」は、その定義の自動生成と高度化を担う。さらに「Open Semantic Interchange(OSI)」に対応し、外部のAIエージェントやBIツールからも、ベンダーロックインを避けつつ同じビジネス定義にアクセスできるようにする。
Horizon Contextを導入したBlackRockでグローバルデータプラットフォームを統括するジェフ・ミラー氏は、「金融業界では、一貫したビジネス文脈が、グローバル市場全体で正確なインサイトを得てリスクを管理するうえで重要になる」とコメントした。
Snowflakeはあわせて、Horizon Catalogのセキュリティ機能も拡充した。「Agent Identity」では、AIエージェントが企業データにアクセスする前に検証済みのIDを付与し、ロールベースの権限管理を適用したうえで、すべての活動を追跡できるようにした。
「Trust Center」は、AIシステムのセキュリティ体制を継続的に監視し、違反の調査を支援する。加えて、機械学習ベースの検知機能とプロンプトインジェクション対策を追加し、ジェイルブレイクの試行やゼロデイ脆弱性の悪用を防ぐとしている。
Snowflakeの製品担当シニアバイスプレジデント、クリスティアン・クライナーマン氏は、「インテリジェンスが自律的に動作する時代には、信頼は選択肢ではなく前提条件だ」と述べた。
このほか、手動チューニングなしでAIワークロードに応じてコンピューティングリソースをリアルタイムに自動最適化する「Adaptive Compute」も発表した。Horizon Catalogと組み合わせることで、ガバナンスとセキュリティを維持しながら、サーバレス環境でAI活用を拡大できるとアピールしている。