画像=Anchorage DigitalのX投稿より

Anchorage Digitalは、機関投資家向けの暗号資産決済基盤「Coordinated Multiparty Settlement(CMS)」を発表した。資産をAnchorage Digital Bankに保管したまま外部の取引プラットフォームで売買できる仕組みで、取引所への事前預託を減らし、カウンターパーティーリスクや運用リスクの抑制を図る。

Cointelegraphが6月1日(現地時間)に報じた。暗号資産市場では、取引前に資産を取引所へ預け入れる運用が一般的だが、CMSはこうした慣行への依存を下げることを主眼に置く。

Anchorage Digitalによると、CMSでは取引の全工程を通じて、資産をAnchorage Digital Bankに継続して保管できるよう設計した。取引所、プライムブローカー、機関顧客を単一の決済基盤で接続し、売買そのものは外部プラットフォームで行われても、資産は連邦規制下の銀行に残る。

CMSは、参加者ごとの資金負担を確認したうえで決済を調整する。これにより、取引完了までに必要な資産移動の回数を減らせるとしている。中核機能の一つとして、暗号資産市場で一般的な事前預託口座の必要性を引き下げる点を挙げた。

AnchorageはXへの投稿で、現在の暗号資産取引の相当部分が海外プラットフォームで行われていると指摘した。こうした市場では、単一の事業者が取引所、カストディアン、決済機関の役割を兼ねるケースが多いという。

その結果、顧客資産が混蔵され、法的名義も取引所側に置かれる場合があると説明した。CMSではカストディと決済を切り分けることで、機関顧客による資産管理の統制強化を目指す。

CMSの枠組みでは、プライムブローカーが顧客残高と信用関係を管理し、取引プラットフォームがマッチングエンジンを担う。Anchorage Digitalはカストディと決済を担当する。機関投資家が取引相手や取引所ごとに資産を分散して事前に預ける負担を軽減する狙いがある。

連携は、取引プラットフォームのSpotexから始める。Anchorage Digitalによると、Spotexの取扱高は1日当たり数十億ドル規模に上る。追加のプラットフォーム連携も進めているという。

CMSは、取引機能と資産保管機能を分離し、機関投資家向け暗号資産取引のインフラ再構築を狙う取り組みといえる。取引所への事前預託を前提とした従来の運用を見直す動きとして、今後の連携先拡大が注目される。

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