強気相場の兆候を半減期や資金循環、投資家心理、機関資金の流れから整理した 画像=Shutterstock

暗号資産市場で、次の「ブルラン」がいつ始まるのかに関心が集まっている。ブルランは一時的な反発ではなく、デジタル資産価格が数カ月から数年にわたって大きく上昇する局面を指す。ただ、足元の市場指標を見る限り、典型的な強気相場の初動とみなすにはなお慎重な見方が必要だ。

暗号資産メディアのThe Crypto Basicは6月1日(現地時間)、ビットコインの半減期、長期保有者の買い増し、オンチェーン活動の活発化、機関投資家マネーの流入を代表的なシグナルとして挙げた。その一方で、現時点では強気相場入りを断定しにくいと分析した。

同メディアによると、暗号資産の強気相場は、長期のもみ合い相場や弱気相場の後に始まるケースが多い。一般に、まずビットコイン(BTC)が上昇し、その後に資金がイーサリアム(ETH)、XRP、ソラナ(SOL)、BNBなど主要アルトコインへ移る。さらに中小型アルトコインへと上昇が波及する流れが、これまで繰り返されてきたという。

代表的な先行指標とされるのが、ビットコインの半減期だ。過去には、供給減少の効果と投資家心理の改善が重なり、半減期後に最高値を更新する場面が複数回あった。2024年4月の半減期では、前後の局面でいずれも過去最高値を付けたとしている。

The Crypto Basicは過去の事例を踏まえ、強気相場は半減期直前の終盤から始まり、半減期後に12〜18カ月ほど続くケースが多かったと説明した。

もっとも、直近は強気シグナルより警戒シグナルの方が目立つ。ビットコインは2025年10月の高値以降、週足ベースで高値と安値を切り下げる下落基調が続いているという。投資家心理を示す恐怖・強欲指数も31にとどまり、なお「恐怖」ゾーンにある。

機関資金の流れも安定していない。米国のビットコイン現物ETFでは直近3週間、連続して純流出を記録し、流出額は数十億ドル規模に達したとしている。

一方で、長期保有者の動きは前向きな材料と位置付けた。歴史的にみると、大口投資家が不確実性の高い局面で買い増しに動く場合、その後の上昇期待を映すことが多い。実際、長期保有者の保有比率は足元で74.3%と過去最高を記録したという。

ただし、現時点では長期保有者による積極的な追加購入の勢いはやや鈍っていると分析した。

次の強気相場を左右する主要変数として、機関投資家の動向も挙げた。米国のビットコイン現物ETFは2024年1月の上場以降、足元では資金流出がみられるものの、累計の純流入額は550億ドル(約8兆2500億円)を超えたという。企業の財務資産への組み入れ拡大、金融機関の参入、規制の明確化も、中長期の需要を支える要因になるとした。

米議会で審議が進む暗号資産市場構造法案「CLARITY法案」にも言及した。市場の信頼性を高める可能性がある材料だとしている。

アルトコイン市場は、ビットコイン上昇後により高いリターンを記録しやすい半面、値動きも大きい。2020〜2021年の強気相場では、ビットコインが約3880ドル(約58万円)から6万5000ドル(約975万円)まで上昇した後、アルトコインが相対的に高い上昇率を示したという。当時はDeFi、ブロックチェーンゲーム、NFTが相場をけん引した。現在は人工知能(AI)、ブロックチェーンインフラ、実物資産連動型トークン(RWA)が新たな投資テーマとして浮上しているとした。

ただ、同メディアは次の強気相場の時期について明言しなかった。過去のサイクルを基準にすれば、市場の底は2026年10〜12月期に形成され、その後は2028年のビットコイン半減期を前に再び蓄積局面に入る可能性があるとの見方を紹介した。

ビットコインの目標価格を巡っても見方は分かれる。一部の市場参加者は、次の上昇サイクルで25万〜50万ドル(約3750万〜7500万円)まで上昇する可能性があるとみる。ただ、最終的な到達水準は、マクロ経済環境や機関投資家の需要、普及拡大の有無に左右されると説明した。

The Crypto Basicは「ビットコインは依然としてデジタル資産市場で支配的な存在だ」と指摘したうえで、強気相場の可能性を見極めるには、価格動向と機関資金の流れを継続的に追う必要があると強調した。市場が過去最高値を更新し、過度な楽観が広がる局面では、利益確定の戦略も併せて検討すべきだと助言している。

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