米国株が最高値圏で推移する一方、ビットコインは上値の重い展開が続いている。画像=Reve AI

米主要株価指数が史上最高値圏を維持するなか、ビットコインは軟調な値動きが続いている。現物需要の鈍化やETFへの資金流入の減速に加え、インフレ再燃を背景とした米長期金利の高止まりが重しとなり、株高の流れに乗り切れていない。

5月31日付のThe Crypto Basicによると、S&P500種株価指数とNASDAQ総合指数はハイテク株高を背景に過去最高値で取引を終えた。一方、ビットコインは週初に7万5000ドルを割り込み、その後は7万ドル台まで下落。リスク資産全体の上昇局面から取り残される格好となった。

年初来、ビットコインはおおむね米国株と高い相関を示してきた。3月にはS&P500との30日相関係数が0.74前後まで上昇したが、5月後半以降は両者の値動きにずれが目立っている。米国株が高値を更新する一方で、ビットコインは戻りの鈍い展開となっており、市場では暗号資産市場固有の下押し要因に目が向き始めている。

主因の一つが現物需要の減速だ。上場投資信託(ETF)への資金流入ペースは以前ほどの勢いを欠き、買い需要が供給を十分に吸収できていないという。加えて、インフレ率はエネルギー価格や生産者コストの上昇を背景に3.8%前後まで再び上昇し、米10年国債利回りも4.5%近辺の高水準で推移している。こうした環境はリスク選好を弱め、投資家の慎重姿勢につながっている。

相場を押し上げるビットコイン固有の材料が乏しいことも重荷となっている。株式市場にはAI関連の成長期待、金市場には地政学リスクを背景とした需要がある一方、ビットコインには資金を強く呼び込む決定打が見当たらないとの見方だ。

オンチェーンデータも上値の重さを示している。Glassnodeの保有期間別実現価格データによると、3〜6カ月前にビットコインを取得した投資家の平均取得単価は8万5000ドル近辺に集中している。足元で価格が8万〜8万5000ドル水準で跳ね返されているのは、この価格帯に戻り売り圧力があるためとの見方が出ている。

一方、直近1週間〜1カ月で参入した投資家の平均取得単価は7万7000ドル前後で、現在の価格帯に近い。この水準を明確に下回れば、短期筋が含み損に転じて売り圧力が強まる可能性がある。需要が十分に戻らないなか、上昇局面での売りをこなし切れていない点も警戒材料とされる。

テクニカル面でも上値の重さが意識されている。週足では、ビットコインが8万〜8万5000ドルを試す過程で弱気の包み線を形成した。このゾーンは50%戻しの水準と20週指数移動平均(EMA)が重なる水準でもある。

日足では、20日移動平均線と50日移動平均線を下回った後、7万ドル台半ばを中心とするレンジで推移している。下放れした場合の次の支持帯は7万〜7万2000ドルとされる。一方でレンジを上抜ければ、8万〜8万5000ドルの抵抗帯を再び試す展開も視野に入る。

今後の焦点は、現物需要とETF資金流入が持ち直すか、米国債利回りが低下に向かうか、そしてビットコイン固有の新たな材料が出てくるかにある。それまでは、7万ドル台半ばのレンジ、8万〜8万5000ドルの抵抗帯、7万〜7万2000ドルの支持帯が短期的な方向感を左右しそうだ。

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