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AMDは、デスクトップ向けCPUソケット「AM5」の対応期間を最低2029年まで延長する。既存のAM5マザーボードで今後のRyzenへアップグレードしやすくし、プラットフォームの長寿命化を打ち出す。

Ars Technicaによると、AMDはComputexでAM5のロードマップ更新を公表した。当初は2025年までとしていた対応計画を、その後2027年以降へ拡大していたが、今回はこれを最低2029年まで延長すると明らかにした。

これにより、AM5ユーザーはシステム一式を買い替えずに次世代Ryzenへ移行できる可能性が高まる。マザーボードを継続利用できることで、アップグレード時の負担軽減につながりそうだ。

AMDはこれまでも、AM4で長期にわたるソケット互換を維持してきた。AM4は2017年の投入以来、複数世代のRyzenに対応し、アップグレードコストを抑えられる点で高く評価されてきた。

AMDは今回のAM5延長について、AM4で採ってきた長寿命プラットフォーム戦略の延長線上にあると説明している。次世代アーキテクチャ「Zen 6」ベースのプロセッサも、AM5でサポートする計画だ。

業界では、Zen 6でデスクトップ向けRyzenのコア数が現行の最大16コアから最大24コアへ拡大する可能性があるとの見方も出ている。製品仕様はまだ公表されていないが、コンテンツ制作や開発用途などマルチコア性能を重視する分野では、性能向上への期待が高い。

一方、AMDは完全な新世代CPUだけでなく、既存製品の派生モデルによってもプラットフォームの延命を図る構えだ。

同社はあわせて、新たなプロセッサも発表した。より手ごろな価格帯のゲーマー向けとして「Ryzen 7 7700X3D」を投入する。8コアの3D V-Cache搭載モデルで、発売日は7月16日、価格は329ドル。

Ryzen 7 7700X3Dは、Ryzen 7 7800X3Dより約50ドル安く、販売中のRyzen 7 9800X3Dと比べると100ドル超低い価格設定となる。最大ブーストクロックは4.5GHzで上位モデルを下回るが、3D V-Cacheによってゲーム性能の底上げを狙う。追加した64MBのL3キャッシュにより、CPU側のボトルネックを軽減し、フレームレートの改善が期待される。

既存ユーザー向け製品も用意する。AM4向けの代表的なゲーミングCPUとして知られる「Ryzen 7 5800X3D」を、10周年エディションとして再投入する。価格は349ドルで、6月25日に発売する予定だ。

Ryzen 7 5800X3Dは、AMDが初めて商用化した3D V-Cache搭載プロセッサ。一般的な生産性用途では最新製品に見劣りする可能性がある一方、ゲーム用途では引き続き競争力を保つとみられている。

こうした動きの背景には、PCアップグレード費用の上昇があるとの見方が強い。グラフィックスカードやメモリ、マザーボードの価格上昇で、ユーザーのあいだではシステム全体の買い替え負担が重くなっているためだ。AMDも、プラットフォームの長寿命化によってシステム全体の交換頻度を抑え、ユーザーの投資価値を高められるとしている。

市場では、AM5が今後どの世代までRyzenを追加サポートするのかに関心が集まっている。Zen 6がコア数拡大を通じてアップグレード需要をどこまで喚起できるかも、焦点になりそうだ。

AMDは、新プラットフォームの長期サポートと既存プラットフォーム向け製品の継続投入を並行して進めることで、PCアップグレード市場での競争力強化を狙う。

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