ビットコイン。写真=Shutterstock

資産運用会社Bitwiseは、ビットコインの短期需要が弱含んでいる一方で、供給面はむしろ引き締まっており、中長期ではなお上昇余地があるとの見方を示した。ETPからの資金流出や国債市場の緊張が重荷となる半面、長期保有の拡大が相場の下支え要因になるとみている。

ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が1日付で伝えたところによると、Bitwiseは5月のビットコイン市場を分析したレポートで、足元では需要の減速がみられるものの、需給構造は引き続き強いとの認識を示した。

ビットコインは5月、一時8万ドルを回復し、8万3000ドル近辺まで上昇した。Bitwiseはこの局面について、ショートスクイーズとオンチェーン指標の改善が上昇を後押ししたと分析した。

上昇局面では、ビットコインの上場投資商品(ETP)に1億6650万ドルが流入したほか、長期保有者は前月に約12万5000BTCを買い増した。ビットコインが米国株や金を上回るパフォーマンスを示す場面もあった。

ただ、上昇は定着しなかった。ビットコインは8万~8万5000ドルのゾーンで上値を抑えられ、その後は7万1000ドル前後まで下落した。世界のビットコインETPでは同期間に10億ドル超の純流出が発生し、投資家心理も急速に悪化した。Bitwiseは、7万2000ドル近辺を強気相場と弱気相場の分岐点と位置付けている。

供給面では、長期保有の傾向が一段と鮮明になった。長期投資家の保有量は1485万BTCに増え、流通量全体の74.3%を占めた。相場の変動が大きい局面でも、売却意欲の低い投資家へコインが移っていることを示す動きで、こうした傾向が続けば、需要が弱い局面でも供給圧力は抑えられる可能性があるという。

Bitwiseは、今後の主要な変数としてグローバル国債市場も挙げた。日本国債利回りの上昇に加え、2026年に借り換えが必要な世界の債務が29兆ドルに上る点、さらに国際通貨基金(IMF)が政府債務の拡大を市場が吸収しきれなくなる可能性を警告している点を指摘した。

債務環境がさらに悪化すれば、中央銀行が追加の流動性供給に動く可能性があり、その場合はビットコインが恩恵を受ける余地があるとみている。

Bitwiseは、ビットコインの構造的な特性にも言及した。国家や中央の発行主体に依存しない仕組みであるため、国家債務リスクに対する潜在的なヘッジ手段になり得ると説明した。

また、実質金利が低下する局面では、ビットコインは歴史的に堅調に推移してきたと指摘した。インフレが高止まりするなかで、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを停止すれば、実質利回りの低下がビットコイン投資の追い風になる可能性があるとしている。

バリュエーション面でも、Bitwiseはビットコインが過熱圏にあるわけではないと分析した。時価総額に対する実現価値の比率を示すMVRVは長期平均を下回っており、過去データでこれを下回った局面は36%にとどまったという。

一方、Nasdaq 100の株価純資産倍率(PBR)は記録的な高水準近辺にある。Bitwiseは、この乖離が広がるほど、割高感の強いハイテク株からビットコインのような希少資産へ資金が移る可能性があるとみている。

注目価格帯としては7万8000〜8万ドルを挙げた。複数の指標がこのゾーンを主要な価格帯として示しており、ビットコインが7万8000〜8万5000ドルのレンジを回復できれば、投資家心理の改善と新規資金流入の再開が期待できるとしている。

キーワード

#ビットコイン #Bitwise #ETP #MVRV #IMF #FRB
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.