韓国で、5GとLTEの区分をなくした統合料金プランの導入が本格化している。LG U+が通信大手3社で先行し、SK Telecomも7月に開始する。KTも下期の投入を準備しており、家計の通信費負担をどこまで抑えられるかが焦点となっている。
背景にあるのは、政府が進める家計通信費の負担軽減策だ。ネットワーク世代ではなく、データ容量と通信速度を基準に料金を設計し、データ安心オプション(QoS)を標準で付けることで、利用者の負担を抑える狙いがある。
先行したのはLG U+だ。同社は1日、5G・LTE統合料金プラン「データプラン」と「プラスプラン」の提供を始めた。5GとLTEに分かれていた53種類の料金プランを18種類に再編し、統合プランの全区分にQoSを適用する。
月額2万8000ウォンの「データプラン300MB」でも、基本データを使い切った後に最大400Kbpsで継続利用できる。低価格帯でも、データ消尽後に通信が完全に止まらない設計に改めた格好だ。
年齢別特典の付与方式も見直した。青少年の契約者が一定年齢に達した場合、追加申請なしで若年層向けの追加データ特典を受けられるようにした。モバイル回線とインターネット回線を個別に契約した後、別途セット申請が必要だった従来方式も改め、オールインワン商品として一本化した。
SK Telecomも7月2日に、5G・LTE統合料金プラン「ベスト・ライト」を導入する。LG U+より約1カ月遅れての開始となるが、既存プランの新規受付停止やセット商品の見直しもあわせて進め、加入手続きの簡素化を図る。
上位プランの「ベスト」は、月額8万9000ウォン~12万9000ウォンでデータ無制限を提供する5種類で構成する。中低価格帯の「ライト」は、月額3万9000ウォン~7万9000ウォンで6GB~250GBを段階的に提供する11種類とした。新プラン導入にあわせ、既存の5G・LTE料金プラン67種類は新規加入の受付を止める。
LG U+と同様、青少年、若年層、シニア向けの専用料金を別途選ばなくても、対象年齢に達すれば追加データなどの特典を自動で適用する。AIや動画配信の特典も拡充し、「ベストプロ」以上の利用者には生成AIサービスの購読特典を付ける。
さらにSK Telecomは7月1日から、LTE料金プラン107種類にも最大400KbpsのQoSを適用する。これまで有料の「400Kbps安心オプション」を利用していた顧客は、自動的に当該オプションが解約され、無料の標準QoSへ切り替わる。
家族割引制度も見直す。これまで携帯電話1回線とインターネット1回線の組み合わせが必要だった「ヨジュム家族結合」は、今後は携帯電話同士の組み合わせだけでも加入できるようにする。固定回線を使わない2人世帯なども割引を受けやすくする狙いだ。
今回の改編で最大のポイントとなるのは、低価格帯までQoSが標準化される点だ。統合料金プランによって利用者の選択肢が分かりやすくなるのに加え、QoSの標準適用は通信費の引き下げに直結する。低価格プランでも追加オプションなしでデータを継続利用できるようになれば、データ超過を避けるために高額プランを選んでいた利用者の負担軽減につながる。科学技術情報通信部は、QoS適用による通信費削減効果を年間約3221億ウォンと試算している。
QoSの速度は料金帯ごとに差を設ける。SK TelecomとLG U+は、5万ウォン台以下のプランでは最大400Kbps、5万ウォン台では1Mbps以上、7万ウォン台では最大5Mbps水準のQoSを提供する。
業界では、とりわけLTE利用者のメリットが大きいとの見方が出ている。例えば、SK TelecomのLTE料金プラン「Tプランスペシャル」は月額7万9000ウォンで150GBを提供しているが、統合料金の「ライト69」に乗り換えれば、月額6万9000ウォンで110GBに加え、最大5Mbpsで継続利用できる。
KTも統合料金プランの導入を準備している。KT関係者は「政府方針に合わせて統合料金プランの発売を準備している」と述べた。業界では、遅くとも今年下期にはKTも新プランを投入するとみている。KTが加われば、通信大手3社の5G・LTE料金区分は事実上解消されることになる。
もっとも、通信各社にとっては収益性の管理が課題として残る。低価格帯までQoSを標準適用すれば、高価格帯の利用者がより安いプランへ移る可能性があるためだ。各社はサブスクリプション特典やAIサービスでプランの差別化を進めるとともに、新規事業による売り上げ拡大を模索する見通しだ。
格安通信(MVNO)業界への影響も避けられない。これまでMVNOは低価格と十分なデータ容量を強みにしてきたが、通信大手3社が5G・LTE統合とQoS標準化を広げれば、差別化の余地は狭まる可能性がある。
通信業界関係者は「統合料金プランは、これまでの移動通信料金体系を大きく組み替える動きだ。今後は家族割引やサブスク特典、通話品質など各社の強みを軸に差別化競争が進むだろう」と話している。