Apple M3搭載のiPad Air 写真=Shutterstock

Appleの「iPadOS 26」が公開から1年を迎えた。ウィンドウ管理やファイル管理の強化により、iPadの生産性を大きく引き上げたとの評価が出る一方、不具合の多さや一部マルチタスク機能の後退には不満も残っている。

9to5Macは5月29日(現地時間)、iPad Proを仕事の主力端末として使ってきたユーザーの声を紹介した。同ユーザーはiPadOS 26について、「iPad史上最も重要なソフトウェアアップグレード」と評価。特に、ウィンドウ管理とファイル管理環境の改善が作業効率を大きく押し上げたとしている。

最大の変化として挙げられたのは、アプリのウィンドウをより自由に扱えるようになった点だ。iPadOS 26では、ウィンドウのサイズを変更し、画面内の任意の位置に配置できるようになった。

従来のiPadはマルチタスクの自由度が限られていたが、現在は一部アプリをほぼフルスクリーンで使いながら、別のアプリを小さなウィンドウで重ねて表示できる。ユーザーは「15年かけて、ようやくiPadにまともなウィンドウ管理が入った」と語っている。

Dockの改善も評価が高い。ウィンドウが画面下部を覆っていない場合は、macOSのようにDockを常時表示できるほか、配置できるアプリやフォルダの数も増え、アプリの切り替えがしやすくなったという。

ファイル管理の使い勝手も向上した。ファイルアプリに加え、新たに追加されたPreviewアプリを組み合わせることで、文書作業やファイル整理がしやすくなり、一部ではMacに近い操作感になったと評価された。

メニューバーの追加も生産性向上に寄与した要素の一つだ。アプリごとの機能や操作項目をまとめて表示できるようになり、作業効率が高まったという。ユーザーは「まだMac並みではないが、現状でも十分実用的だ」としており、iPadOSが初めてiPadの高いハードウェア性能を本格的に生かし始めたとの見方を示した。

一方で、完成度には課題も残る。AppleはiPadOS 26で、ウィンドウの位置やサイズを保持する「Persistent Window Placement」機能を打ち出したが、実際の利用では安定性が期待に届かなかったという。

アプリのクラッシュ後にウィンドウ配置が初期化されたり、フルスクリーン表示に戻ったりする現象が頻発したとされる。ユーザーは、こうした問題が「ほぼ毎日、あるいは2日に1回のペース」で起きると指摘した。

こうした不具合が確認された端末は、M5チップ、16GBメモリ、10コアCPUを搭載した最上位構成のiPad Proだった。高性能モデルでも問題が生じたことで、ソフトウェア最適化の余地がなお大きいとの受け止めにつながっている。

マルチタスク機能の一つであるSlide Overにも不満が出た。AppleはiPadOS 26.1で同機能を復活させたが、従来のように複数アプリをSlide Overで同時に扱えなくなり、利便性はむしろ下がったという。ユーザーは「Slide Overに限れば、iPadOS 18より体験は後退した」と述べている。

細かな操作性にも改善の余地がある。右クリック操作の反応はMacより鈍く、トラックパッドでウィンドウサイズを調整しようとすると、ウィンドウ自体が動いてしまうことが多いという。

Safariでも不具合が報告された。オートコンプリートが入力中のアドレスを消してしまう現象が繰り返し発生し、一部のWebサイトでは依然として特定機能が正常に動作しないため、結局Macを使わざるを得ない場面もあったとしている。

それでもiPadOS 26は、iPadをMacにより近い生産性デバイスへ押し上げたとの評価が目立つ。ウィンドウ管理、ファイル管理、Dock、メニューバーといった中核機能が大きく強化され、iPadの活用範囲が広がったためだ。

次の焦点はiPadOS 27に移りつつある。今回整備された生産性基盤の上で、安定性やブラウザ互換性、マルチタスクの完成度をどこまで高められるかが、今後のiPadの競争力を左右しそうだ。

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