ビットコインが7万ドル近辺で重要局面を迎えている。市場では、7万〜7万1000ドルの支持帯を維持できるかが当面の焦点となっており、下抜けなら6万ドル台半ばまでの調整、持ちこたえれば7万6600ドル突破と最高値更新を見込む声が出ている。現物ETFからの資金流出も、相場の重しとして意識されている。
Cointelegraphが5月31日(現地時間)に報じたところによると、MN Trading Capital創業者のマイケル・バン・デ・ポッペ氏は、ビットコインが現在の重要水準を維持できなければ、6万5000ドルを下回る水準が買い場になる可能性があるとの見方を示した。
同氏は7万〜7万1000ドルを主要な支持帯に挙げ、この水準を割り込めば調整が深まる可能性があると指摘した。一方で、足元の値動きは2月の下落局面とは異なるとも分析している。当時はレンジ上限だった抵抗帯を支持線に転換できなかったが、今回は相場の構造が違うというのが同氏の見立てだ。
特に7万1000ドル近辺を重要な支持帯と位置付け、この水準を維持できれば深い調整は回避しやすいとした。反対に、現水準を維持したまま上昇基調を保てば、7万6600ドルを上抜け、その後に過去最高値を更新する可能性もあるとしている。さらに、同水準を超えればアルトコイン市場の上昇基調が続く可能性にも言及した。
もっとも、市場では2月初旬の6万ドル近辺が今サイクルの底だったかを巡り、見方が分かれている。ベテランのトレーダーで弱気派として知られるピーター・ブラント氏は、当時3月に記録した6万ドルが2026年の最安値になるとは限らないとし、今年9月または10月に同水準を再び試す、あるいは小幅に下回る可能性があると予想した。これに対し、バン・デ・ポッペ氏は新たな安値更新はないとの立場を示している。
別のシナリオもある。経済学者のティモシー・ピーターソン氏は、ビットコインが夏場にかけて緩やかに上昇する可能性がある一方、天井は7月最終週になるとの見方を示した。上昇が続いても、勢い自体は強くない可能性があるとしている。
こうしたなか、ビットコイン現物ETFの資金フローも弱材料となっている。直近では現物ETFから10営業日連続で資金流出が続き、5月15日以降の純流出額は29億7000万ドルを超えた。同期間のETF総純資産は1042億9000万ドルから941億7000万ドルへ減少し、約100億ドル縮小した。
一方、オンチェーン分析企業のSantimentは、こうしたETFからの資金流出が、むしろ相場の底打ち局面の終盤を示唆している可能性があるとみている。資金流出が続くなかでも、価格が主要な支持線を維持できるかどうかが、短期的な方向感を左右する重要な要因になっている。
市場の視線は、引き続き7万〜7万1000ドルに集まっている。この水準が崩れれば2月安値圏の再試し観測が強まりやすい。一方、支持に成功すれば7万6600ドル突破への期待が高まり、暗号資産市場全体のリスク選好が持ち直す可能性もある。
ビットコインの先行きは、7万ドル前後の支持線を維持できるかという点と、現物ETFの資金フローという2つの変数に左右される展開となっている。価格構造を巡る見方が割れるなか、短期の方向感が市場心理に与える影響は一段と大きくなっている。