写真=Reve AI

米国の暗号資産市場構造法案「CLARITY法案」を巡り、米証券取引委員会(SEC)、議会関係者、Ripple Labsが相次いで支持を打ち出している。ドナルド・トランプ米大統領が暗号資産振興に前向きな姿勢を改めて示したことを受け、上院本会議での採決に向けた追い風が強まっている。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、トランプ氏は28日(現地時間)、自身のSNS「Truth Social」に、米国を「世界の暗号資産首都」にすると投稿した。これを受け、ワシントンの政界と業界では法案を後押しする発言が相次いだ。

トランプ氏が暗号資産の市場構造を巡る問題に公に言及したのは3月以来という。投稿では、ゲイリー・ゲンスラー前SEC委員長と、いわゆる「反暗号資産勢力」を名指しし、米国の暗号資産産業をほぼ崩壊寸前に追い込んだと批判した。

その上で、暗号資産に敵対的な勢力から市場を守る将来志向の規制枠組みを法制化するとして、暗号資産を後押しする政策方針を改めて打ち出した。

規制当局も歩調を合わせている。ポール・アトキンスSEC委員長は最近の発言で、これまでの執行偏重の強硬な規制路線は終わったと述べた。

アトキンス氏は「SECは長年にわたり、新技術やイノベーションと対立し、起業家を海外に追いやってきた。そうした時代は終わった」と指摘。その上で「トランプ政権と議会は、デジタル資産市場に必要な明確性を提供しつつある」と強調した。

Rippleも歓迎の姿勢を鮮明にした。ブラッド・ガーリングハウスCEOは、今回の流れがRippleとSECの長期訴訟後に生じた変化だと強調した。

ガーリングハウス氏は「反暗号資産勢力は裁判所と有権者、そしてトランプ氏に敗れた」と主張し、従来の規制路線は政治的にも法的にも正当性を失ったとの認識を示した。

上院では立法手続きも進んでいる。上院銀行委員会は5月14日、CLARITY法案を超党派で採決し、賛成15、反対9で可決した。

ティム・スコット委員長は「米国を世界の暗号資産ハブにするというトランプ氏のビジョンを裏付けるものだ」と述べた上で、「CLARITY法案は明確なルールを示し、消費者を保護し、金融の未来を米国内で築くことにつながる」と訴えた。

法案の柱は、デジタル資産の大部分を商品と位置付け、監督権限を商品先物取引委員会(CFTC)とSECで分担する点にある。取引所における顧客資産保護のためのカストディ規定も盛り込んでいる。

シンシア・ルミス上院議員は、消費者保護条項の必要性を強調した。「CLARITY法案がなければ、デジタル資産取引所が破綻した場合、顧客は自らの資産に対する保障された権利を持てない」と述べた。

さらに、FTX破綻時に顧客が一般債権者と同列で弁済順位を待たざるを得なかった点を挙げ、制度整備を急ぐ必要があると指摘した。

もっとも、法案成立までにはなお手続きが残る。CLARITY法案は上院本会議で少なくとも60票を確保する必要があり、その後は下院案との調整も必要になる。

ワシントンでは、中間選挙モードが本格化する前の8月休会前が現実的な処理期限として取り沙汰されている。

政権、規制当局、議会、暗号資産業界が同時に法案支持を打ち出す今回の流れが、超党派での賛成拡大につながるかが今後の焦点となる。上院本会議でどこまで幅広い支持を確保できるかは、2026年の米デジタル資産立法の方向性を占う材料になりそうだ。

キーワード

#CLARITY法案 #米証券取引委員会 #Ripple Labs #暗号資産 #商品先物取引委員会 #トランプ氏
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.