Applied Materialsのゲリー・ディカーソンCEOは28日、AI需要の拡大を背景に、半導体業界は「過去最高水準の局面」にあるとの見方を示した。顧客との協議はすでに2027年から2028年の需要を見据えた水準に及んでおり、同社は供給能力もほぼ2倍に引き上げられる体制を整えたという。米CNBCが報じた。
Applied Materialsは、先端半導体の生産に必要な製造装置を手がける大手企業だ。NVIDIAやTSMCのようなチップ設計企業やファウンドリーほど一般的な知名度は高くないものの、AI半導体のサプライチェーンを支える中核企業の1社と位置付けられる。同業にはLam ResearchやKLAがある。
ディカーソンCEOは、現在の半導体市場を支えている最大の要因としてAIを挙げた。AIが膨大な計算需要を生み出しており、足元の需要拡大は一時的なものではないとの認識を示した。顧客企業がAIインフラの増強を急ぐなか、製造装置の発注見通しもより長期化しているという。
Applied Materialsの株価は過去1年で約178%上昇した。ただ、同氏は株価の上昇そのものより、需要の持続性を重視する姿勢を示した。会社の業績見通しにも大幅な成長を織り込んでいるとしたうえで、「今回の転換点は非常に長く続く」と語った。
従来の半導体景気循環が再び強まるとの見方についても、同氏は異なる認識を示した。AI時代には需要基盤がより強固になり、見通しも立てやすくなっていると説明。事業環境は「前例のない水準」にあるとして、顧客との議論がすでに2027年、2028年の需要を中心に進んでいることを明らかにした。
需要拡大に対応するため、同社は供給体制の強化も進めている。ディカーソンCEOは、生産体制とサプライチェーンに大規模な投資を進めた結果、生産対応能力をほぼ2倍に引き上げられるようにしたと説明した。一方で、需要はそれ以上の勢いで伸びているとも指摘した。
今回の発言は、AIの普及が半導体製造装置メーカーの業績と投資計画を同時に押し上げている実態を示している。先端半導体の需要が増えれば、それを生産する装置需要も拡大するためだ。ディカーソンCEOは「長期的な機会は引き続き大きい」と述べ、「AIはより高度な半導体と、それを製造する装置の需要を押し上げる」との見方を示した。
そのうえで同氏は、「AIはあらゆる産業を変える」「私たちの生涯で最大の波及力を持つイノベーションだ」と強調した。AIインフラ投資の流れが、実際の装置発注と生産能力の拡大としてどこまで長期化するかが、今後の市場の焦点となりそうだ。