米ニューヨーク市は28日、行政効率化組織「COGE(Commission on Government Efficiency)」を設置すると発表した。住宅許認可や調達、市民向けサービスの仕組みを見直し、制度や手続きの改善につなげる考えだ。
BeInCryptoの報道によると、ジョラン・マムダニ市長は同日、COGEの発足計画を公表し、連邦レベルで進められたDOGEとは異なる行政改革モデルになると強調した。
COGEは15人で構成する。ニューヨーク市内の5行政区で計10回の公聴会を実施するうえで、2026年11月の住民投票に付す市憲章改正案を取りまとめる方針だ。意見聴取の対象には、労組幹部、地域コミュニティーの活動家、市職員らが含まれる。
委員長には、元駐南アフリカ米国大使のパトリック・ガスパード氏を起用した。労働界からはDistrict Council 37のヘンリー・ガリド氏らが参加する。マムダニ市長は、エリック・アダムス前市長時代に設けられていた憲章見直しの枠組みに代えて、COGE体制へ移行させた。
市側は、COGEの狙いは単純なコスト削減ではなく、行政構造そのものの見直しにあると説明している。ドナルド・トランプ米大統領とTeslaの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏の主導で、人員削減や契約解除を軸に効率化を進めた連邦DOGEと異なり、COGEは公共サービスを縮小せず、手続きや制度の改善に重点を置くとしている。
マムダニ市長は「COGEは、市がより賢く、より速く、より効果的に機能する方法を見いだす」と説明したうえで、「ニューヨーク市民には、自らの資金を扱うのと同じ慎重さで予算を運用する市政が必要だ」と述べた。連邦DOGEについては、効率化という言葉が実際には公共サービス縮小を覆い隠すために使われたと批判した。
運営面では、公聴会を軸に議論を進める方針も打ち出した。マムダニ市長は、労組関係者や地域の組織者、市民とともに、説明責任を強化し、市民の声に機敏に対応できる行政の仕組みを設計するとしている。初回の公開会議は6月4日に開き、行政区ごとの公聴会は6月9日に始める。
こうした構想を巡っては、評価が分かれている。Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏は公然と支持を表明し、削減できた財源を低所得の勤労者向け減税に振り向けられると評価した。報道によると、同氏は「人々のポケットに金を残す最善の方法は、そもそもそれを取らないことだ」と語った。
一方、労組を中心とした意見集約が実際のコスト削減や行政効率の向上につながるのかを疑問視する声もある。マムダニ市長の進歩的な政策姿勢を踏まえ、委員会が構造改革よりも利害調整にとどまる可能性を指摘する見方も出ている。
ニューヨーク市は今後、住民投票を経た制度見直しによって行政効率化を進める方針だ。COGEの成否は、公聴会を踏まえてどのような憲章改正案を示せるか、また公共サービスを縮小せずに手続きの簡素化や運営改善をどこまで実現できるかが焦点となる。