ADTechnologyは5月29日、Samsung Electronicsの2nmプロセスを採用したHPC向けCPU「ADP620」で、3.695GHz動作を実証したと発表した。米サンノゼのSamsung Electronics半導体キャンパスで開かれた「Samsung Foundry SAFEフォーラム2026」で、設計成果と量産に向けたロードマップを明らかにした。
今回の成果を支えたのは、同社の独自設計最適化基盤「CAPELLA」だ。自社IPライブラリ「POLK」をSamsung Electronicsのプロセス特性に合わせて最適化し、チップレベルでPPA(消費電力・性能・面積)効率の向上を図った。CAPELLAと2nmプロセスの組み合わせにより、3.695GHz動作に加え、不良低減やコスト削減、性能電力効率の改善につなげたとしている。
フォーラムでは、RSEファームウェアの初期化からホストのUEFIへの移行まで、一連のブートシーケンスを動作させるデモも披露した。RSEはサーバシステムの遠隔管理・制御を担うファームウェアモジュール、UEFIはOS起動前にハードウェアを初期化する標準ファームウェアインターフェースである。チップ製造前の段階で統合実行環境を早期に確保することで、設計上の不具合を事前に検証でき、開発期間の短縮とリスクの抑制につながるとしている。
同社は開発サイクルの短縮に向け、「Shift-Left」戦略も進める。シリコン製造前に仮想モデル、ハードウェアエミュレーション、FPGA(Field Programmable Gate Array)プラットフォームを順次整備し、ハードウェア設計とソフトウェア開発の並行開発を進める方針だ。
パク・ジュンギュCEOは「今回の3.695GHz達成は、Samsung Electronicsの2nmプロセス技術の上で、当社の設計最適化技術が結実した成果だ」とコメント。「当社は単なるデザインサービス企業にとどまらず、顧客企業の成長を後押しするグローバルAIインフラアーキテクチャパートナーとして、実効性の高い技術ソリューションを提示していく」と述べた。