Snowflake株は28日、好決算とAmazon Web Services(AWS)との60億ドル規模の長期契約を好感し、約40%急騰した。年初からの下落分をほぼ1日で取り戻した格好だ。
BeInCryptoによると、市場で材料視されたのは、業績の上振れに加え、通期見通しの引き上げとAIインフラ拡大戦略が同時に示された点だ。2027会計年度第1四半期の売上高は13億9000万ドルで、前年同期比33%増。市場コンセンサスの13億2000万ドルを上回った。製品売上高も34%増の13億3000万ドルだった。
スリダル・ラマスワミCEOは、四半期として過去最大の純増だったと説明した。収益性も市場予想を上回り、非GAAPベースの1株当たり利益(EPS)は0.39ドルと、予想の0.32ドルを超えた。純売上維持率は126%を維持し、残存履行義務は38%増の92億1000万ドルとなった。
これを受け、Snowflakeは2027会計年度通期の製品売上高見通しを58億4000万ドルに引き上げた。成長率見通しも従来の27%から31%へ上方修正した。
市場では、SnowflakeをAIインフラ関連銘柄として見直す動きが出ている。アナリストの間では、同社は単なるAIアプリケーション企業ではなく、AIが稼働する基盤となるデータインフラを担う企業だとの見方が出ている。ソフトウェア企業としての成長鈍化懸念よりも、企業向けAIを支える中核的なデータ基盤としての役割に注目が集まった。
投資家心理を強く刺激したのが、AWSとの5年間で60億ドルに上る契約だ。Snowflakeにとって過去最大級のクラウドコミットメントとなる。契約には、一般ワークロード向けのAWS Gravitonチップのほか、AIモデル学習向けのGPU搭載EC2インスタンスが含まれる。両社は今後、エージェント型AIに関するインフラ統合も拡大する方針だ。
Snowflakeは今回の取り組みに関連し、企業全体のデータ資産だけでなく、AIエージェントの挙動や相互作用まで管理対象を広げる考えを示した。AWSとは、ワークロード移行やAWS Marketplaceを通じた共同営業も強化する。Snowflakeは、AWS Marketplaceでの累計売上高が70億ドルを超えたことも明らかにした。
また、企業向けのモデル・コンテキスト・プロトコル基盤「Natoma」の買収を進める計画も公表した。NatomaはAIエージェントのガバナンス向けプラットフォームで、買収が完了すれば、Snowflakeのエージェント型AIスタックはアイデンティティー層とコネクティビティー層まで拡張されるという。
Snowflakeは、Natomaの買収によって、ユーザーがSnowflake IntelligenceとCortex Codeを通じ、アプリケーションの文脈を組み込んだデータを活用し、業務を直接実行できるようになるとしている。
今回の株価急騰で、Snowflakeは年初来の不振から持ち直し、有力なAI関連銘柄として再び注目を集めた。ただ、今後の株価動向は、AIワークロードが継続的な従量課金売上につながるか、顧客がAIエージェントをどの程度のスピードで本番環境へ展開するかに左右される。業績回復を一時的な反発で終わらせず、企業向けAIインフラ需要の取り込みにつなげられるかが次の焦点となる。