Standard Charteredは、Ethereum(ETH)が2,000ドルを下回る局面でも、2026年末に4,000ドル、2030年末に4万ドルとする強気見通しを維持した。ネットワーク指標の改善を根拠に中長期では強気姿勢を崩していない一方、短期的には需給面の弱さも指摘している。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが28日(現地時間)に報じたところによると、同行は顧客向けリサーチノートで、ETHの目標価格を2026年末4,000ドル、2030年末4万ドルに据え置いた。
Standard Charteredでデジタル資産リサーチを統括するジェフ・ケンドリック氏は、足元の下落局面について、2001年のドットコムバブル崩壊時のAmazon株の値動きになぞらえた。ネットワーク内部の指標は改善しているにもかかわらず、ETH価格には十分反映されていないとの見方を示した。
リサーチノートによると、取引件数とTVL(預かり資産総額)は、ETH建てで過去最高圏にある。一方で、ETH価格は足元で2,000ドルを割り込み、2025年8月に付けた4,946ドルから57%下落している。
ケンドリック氏はこの見方を補強する材料として、ジェフ・ベゾス氏の2018年の発言も取り上げた。ベゾス氏は、2001年にAmazon株が113ドルから6ドルまで下落した局面でも、事業の内部指標は改善を続けていたと振り返っている。そのうえでケンドリック氏は、Amazon株がその後、株式分割考慮後ベースで2001年以降約1,000倍に上昇したと指摘した。
また同氏は、ステーブルコインの時価総額が2028年末までに6倍、トークン化実物資産(RWA)は同期間に50倍へ拡大すると予想した。Ethereumはその両市場で50~65%のシェアを占めるとの見方を示している。
もっとも、短期の需給は強弱が入り交じる。ETH/BTC比率は約0.027まで低下し、5年ぶりの低水準を付けた。Santimentのデータでは、2,000ドル割れを受けて個人投資家の押し目買いの動きが強まる一方、機関投資家の資金フローは逆方向に向かった。
Polymarketでは、ETHが年末を1,500ドル未満で終える確率を54%と見込む取引が優勢となっている。関連取引の規模は640万ドル。一方で、未決済建玉の増加と資金調達率のプラス圏推移を背景に、約20億ドル規模のショートスクイーズを誘発し得るポジションも積み上がっている。ETHが2,000ドル台を回復すれば、このリスクは一段と高まる可能性がある。
長期見通しを巡る最大の論点は、ネットワーク利用の拡大がETHそのものの価値に結び付くかどうかにある。Bankless共同創業者のデイビッド・ホフマン氏は、価値はETHではなく、アプリケーションやレイヤー2に蓄積されていると主張した。