政府は、AI時代を支える高品質データの整備を本格化する。民間需要の高いデータの拡充に加え、公的データと民間データをつなぐ「データ高速道路」を構築し、個人情報や著作権を巡る制度見直しも進める。
国務調整室と科学技術情報通信部など関係省庁は28日、政府ソウル庁舎でキム・ミンソク国務総理主宰のデータ関係閣僚会議を開き、「AI大転換時代のデータ政策推進方向」を協議した。データを軸にAI政策を省庁横断で調整する閣僚級会議の立ち上げは今回が初めてとなる。
◆総理主宰の会議体を新設、データ政策を省庁横断で調整
これまでデータ政策は、科学技術情報通信部の民間・AIデータ、行政安全部の公的データ開放、統計データ管理など、省庁ごとに分かれて進められてきた。
今後はまず、民間が必要とする高品質データの確保と整備に力を入れる。高品質な推論用データ、AIの安全性・信頼性に関するデータセット、性能評価向けのベンチマークデータを整備するほか、フィジカルAI・製造、モビリティ、バイオ・保健医療、農業、文化などの分野別データも拡充する。
公的データの開放も広げる。民間ニーズの高い「AI・高付加価値公的データTop 100」を選定して開放するほか、政策研究報告書や国家資格試験の問答データなど、非構造化データについてもAIで活用しやすい形で提供する。あわせて、公的データの管理体系をAI活用に適した形へ見直し、公的著作物のAI学習利用を後押しするため、公共Nuri制度の活性化も進める。
分野別の特性を踏まえ、AIトランスフォーメーション(AX)での活用余地が大きい特化データの確保も進める。参加主体間のルールや収益配分の仕組みを前提に、分野ごとの共同利用を促す「データスペース」を構築する方針だ。医療など、自発的なデータ共有や活用が進みにくい戦略分野で試験的に適用する。
◆AI Hubを拡大改編、中小・スタートアップのAXを後押し
データ連携と開放の基盤強化にも乗り出す。多様なデータを集約・接続する「データ高速道路」を整備し、国家共有データプラットフォーム「ワン・ウィンドウ」を高度化する。これにより、公的データと民間データを結ぶ汎政府データパイプラインの構築を進める。AI学習用データプラットフォームのAI Hubは、AI学習用データの統合提供システムへ拡大・改編する。
安全で信頼できるデータ活用に向けた制度整備も進める。個人情報、保健医療データ、著作物の活用に伴う法的な不確実性を抑えるため、個人情報保護法とデジタルヘルスケア法の制定・改正を推進し、著作権法改正の必要性も検討する。全国14カ所のデータ安心区域については、クラウド連携や未開放データの拡充を通じて利活用を高める。
民間主導のデータエコシステム整備も後押しする。政府は、中小企業やスタートアップ向けに「AXワンストップバウチャー」や「データ問題解決銀行」などの支援策を講じる。AI学習用データの購入費に対する税額控除の適用、政府事業への参加時にデータの現物出資を自己負担として認める制度、著作権保護とAI産業の発展の両立を意識した標準契約書の整備も進める。
政府は今回の議論を踏まえ、詳細課題を具体化した上で、法定の基本計画策定に着手する。分野別のAXの方向性を示すデータ戦略マップも整備し、各省庁・機関のデータ確保と活用を支援する方針だ。
キム総理は「社会のあらゆる分野でデータの高度化が進まなければ、国家AIの発展はない」とした上で、「データ関係閣僚会議を通じて、省庁間の緊密な連携と一貫性のある政策推進体制を整える」と述べた。
ペ・ギョンフン副総理兼科学技術情報通信部長官は「AI革新のゴールデンタイムを逃さず、現場で必要とされるデータを適時に活用できるよう、関係省庁がワンチームで積極的に支援する」と語った。