写真=Polymarket

予測市場プラットフォームのPolymarketが、利用者の本人確認(KYC)の導入を検討していることが分かった。制裁違反や違法賭博を巡る法的リスクの高まりを受け、これまでの匿名性を重視した運営を見直す動きとみられる。

The Informationの報道を引用して、Cointelegraphが27日に報じた。報道によると、Polymarketは仮名で利用できる現在の仕組みを再評価しており、KYCに相当する本人確認を導入するかどうかが焦点になっている。

Polymarketはこれまで、利用者が実名を明かさずにアクセスし、取引できる構造を採用してきた。一方で、こうした仕組みは、論争性の高い市場に資金が流入した際、法的責任の所在を巡る問題を招きかねないとの指摘が出ていた。

27日時点でPolymarketは、35カ国を対象に接続制限を設けている。対象にはイラン、ロシア、北朝鮮が含まれ、軍事衝突などを理由に複数国から制裁を受けている国・地域が並ぶ。

匿名性を巡る問題は、個別事例でも浮上している。報道では、米軍兵士1人がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の逮捕に関する市場に賭け、後に約40万ドルの配当を受け取ったとされる。機密情報を使った疑いも指摘されており、仮名利用を前提とした仕組みでは、こうした取引を事前に排除しにくい可能性が改めて示された形だ。

各国の規制も強まっている。複数の国・地域はPolymarketを違法賭博の懸念があるサービスとみなし、接続の遮断や制限に踏み切った。PolymarketがKYC導入を検討する背景には、こうした規制環境の変化がある。

米国では、予測市場を誰が管轄すべきかを巡る政治的な議論も続いている。ドナルド・トランプ米大統領は26日、自身のSNS「Truth Social」への投稿で、米商品先物取引委員会(CFTC)が予測市場に対して「排他的管轄権」を持つべきだと主張した。

この発言は、PolymarketやKalshiを取り締まってきた州当局と対立してきたCFTCのマイケル・セリック委員長の立場と重なると受け止められている。

ただ、米議会では規制緩和そのものより、利益相反の可能性にも関心が向けられている。米下院議員らはKalshiとPolymarketを対象に調査を始めたと明らかにし、選挙で選ばれた公職者に関わるインサイダー取引リスクを問題視した。

Polymarketでは、米国とイスラエルの対イラン関連の戦争リスクに結び付く複数の市場も扱っているという。

PolymarketがKYCを導入すれば、サービスの構造そのものが変わる可能性がある。匿名性は低下する一方、制裁違反や違法取引へのエクスポージャーを抑える方向に運営を転換するシグナルとも受け取れる。

半面、予測市場プラットフォームとしての開放性や利用のしやすさは、一定の制約を受ける可能性がある。Polymarketの今回の検討は、予測市場が仮名ベースのアクセス性だけでは運営しにくい局面に入ったことを示している。

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