Gennaiの活用は、生成AIを行政実務に組み込む取り組みの一環であることを示す(画像=Reve AI)

日本政府が、国会答弁の作成業務で行政向け生成AI「Gennai」を活用していることを明らかにした。松本デジタル相は参議院本会議で、自身の答弁について「この答弁もGennaiが草案を書いた」と述べた。

発言は、政府が独自開発した行政向け生成AIシステム「Gennai」の活用状況を問う質疑の中で出た。参政党の梅村みずほ議員は、生成AIが行政実務の効率化にどの程度役立っているのかに加え、当日の答弁作成にどこまで使われたのかをただした。

これに対し松本デジタル相は、本会議での答弁の作成工程全体に占めるAI活用の割合を定量的に示すのは難しいと説明した。その上で、自身の答弁については、職員がGennaiで草案を作成し、職員による事実確認を経て、自ら最終確認した上で答弁していると述べた。

梅村議員は、AIの活用によって答弁が紋切り型で形式的な表現に偏らないようにすべきだとも指摘した。これに対し松本デジタル相は、むしろ業務の質の向上が期待できるとの見方を示した。AIを積極的に活用することで答弁作成全体の時間を短縮でき、職員は内容の検討や精査により多くの時間を充てられるとした。

その結果として、形式的ではなく、より丁寧で建設的な答弁の作成につながると付け加えた。

Gennaiは、デジタル庁が独自に開発した生成AIシステムだ。一般に公開されているAIサービスとは異なり、政府専用の閉域網内で運用しており、行政文書や機密情報の流出リスクを抑える仕組みとしている。

政府は5月から、全省庁を対象に実証事業を始めた。国家公務員の一般職約29万人のうち、約18万人が参加しているという。活用領域は法制度の調査や国会答弁作成の支援で、行政業務の効率化につなげる考えだ。

特に国会答弁のように、事実確認と文案整理を繰り返す業務では、草案作成にかかる時間の短縮を重視している。

政府は実証事業を通じて、生成AIを行政現場のどこまで適用できるかを検証する方針だ。今後は法令の検討や政策文書の作成、国会対応業務などへGennaiの活用範囲が広がる可能性がある。

一方で、AIが生成した内容の正確性をどう担保するか、責任の所在をどう明確にするか、行政文書の画一化への懸念にどう対応するかといった点は、引き続き課題となる。

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