英政府は、若年層のSNS利用を一律に禁じるのではなく、依存を招きやすい設計の見直しを軸に規制を検討している。写真=Shutterstock

英国政府は、16歳未満の未成年によるソーシャルメディア(SNS)利用を巡り、数週間以内に新たな規制案を公表する見通しだ。全面禁止ではなく、無限スクロールや動画の自動再生といった依存を招きやすい機能の制限を柱とする方向で検討が進んでいる。

27日付のITメディア「TechRadar」によると、キア・スターマー首相は、国民や家族からの意見聴取を踏まえ、「非常に、非常に迅速に」対応する考えを示した。もっとも、現時点で主に議論されているのは、16歳未満の利用を一律に遮断する案ではなく、プラットフォームの設計を見直す方向だという。

背景には、全面禁止の実効性に対する懐疑論がある。オーストラリアのように強い規制を導入した地域でも、16歳未満の利用者が回避手段を見つけたり、規制の緩い別のオンライン空間に移ったりする事例が出ており、アクセスそのものを止めるよりも、サービスの依存性や有害コンテンツへの接触リスクを下げる方が現実的だとの見方が強まっている。

規制対象としてまず挙がっているのが、無限スクロールと自動再生だ。無限スクロールはTikTokやInstagramのようにコンテンツが途切れなく表示される仕組みで、自動再生は動画の視聴後に次の動画が自動的に再生される機能を指す。いずれも利用時間を引き延ばす代表的な仕組みとされ、原文では、米カリフォルニア州の判決で無限スクロールが依存性を高める主要な要因の一つとして指摘されたと伝えている。

通知機能やプッシュ通知の制限も検討対象となっている。新着メッセージやコメント、フォロー中アカウントの新規投稿に関する通知は、利用者をアプリに呼び戻す有力な手段だからだ。英国政府は、アプリ単位での制限に加え、未成年にひも付いたアカウントについて、iPhoneやAndroid端末のOSレベルで通知を止める方法も検討し得るとしている。

「いいね」やコメント機能の制限も候補に含まれる。この場合、未成年は反応機能が抑えられた環境で投稿・閲覧することになる。原文は、こうした機能がいじめに悪用されたり、悪意ある利用者が親密さを築いたうえで接触を深める足掛かりになったりする可能性を指摘した。

推薦アルゴリズムの制限も主要な論点だ。プラットフォーム各社は、視聴時間や「いいね」、コメント、スクロールの傾向などを分析し、利用者の関心に合うコンテンツを継続的に表示している。これを制限すればフィードのパーソナライズ度は下がる一方、オンライン滞在時間の抑制や、未成年がより危険なオンライン集団へ誘導されるリスクの軽減につながるとの見方がある。原文では、アルゴリズムは「見るべき」コンテンツではなく、関与する可能性が高いコンテンツを優先的に表示すると説明している。

一方で、プラットフォーム側が支持する代替案もある。SNS各社は、サービスごとの規制よりも、端末単位で年齢制限を導入する仕組みを主張してきた。AppleとGoogleが携帯端末利用者の年齢を確認し、その結果に応じてアプリへのアクセス範囲を調整する方式だ。英国上院も2025年12月、この案に言及している。

端末単位の制限は、規制基準のばらつきを抑えられる点でプラットフォーム側に利点があるとされる。利用者にとっても、年齢確認情報を複数のプラットフォームに繰り返し提出する必要がなく、個人情報が複数のサービスに分散するリスクを減らせるという。

もっとも、全面禁止案が完全に消えたわけではない。ただ、より広範な一律禁止が採用される可能性は低下したとの見方が出ている。あわせて、政府が回避手段とされる仮想私設網(VPN)へのアクセス制限まで検討するかどうかも焦点となる。VPNは位置情報を変更して地域制限を回避できるため、国ごとに規制が異なる場合の代表的な抜け道とみなされている。

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