Samsung Displayは28日、4K解像度と360Hzのリフレッシュレートを両立した31.5型QD-OLEDパネルを開発したと発表した。モニター向けとしては世界初で、台北で開かれる「COMPUTEX 2026」で顧客企業やメディアに初披露する。
業界ではこれまで、4K解像度対応モデルや360Hz以上の高リフレッシュレート対応モデルは存在したものの、両方の仕様を同時に満たすモニターパネルはなかったという。
4Kと360Hzを両立するには、1秒当たりに処理する画素データ量が大幅に増える。これに伴って画素の充電時間が長くなり、回路駆動の負荷も高まるため、業界では4K時のリフレッシュレートを240Hz以下に抑えるか、高リフレッシュレートを優先して解像度をQHD級にとどめるのが一般的だった。
Samsung Displayは、パネル回路と駆動システムの最適化によって、こうした技術的な制約を克服したとしている。
新製品は、利用環境に応じて解像度とリフレッシュレートを切り替えられる「デュアルモード」に対応する。FHDに設定した場合は、最大680Hzまでリフレッシュレートを高められるという。
同社は、瞬間的な応答性が重視されるFPSゲームでも、途切れの少ない滑らかな表示が可能になると説明する。加えて、このパネルはモニター向けとして初めて、VESAの「DisplayHDR True Black 600」認証に対応する。
DisplayHDR True Black 600では、黒表現を0.0005ニト以下に抑えつつ、RGB合算輝度で600ニト以上(APL 10%基準)を満たす必要がある。従来、プレミアム自発光モニター市場で最高グレードとされてきた「True Black 500」を上回る水準だとしている。
さらに、新技術として「V-stripe」ピクセル構造を採用した。RGBサブピクセルを縦ストライプ状に配置し、文字の輪郭表現を改善することで、文書作成やコーディング、グラフィック制作などでのテキストの視認性を高めるとしている。
Samsung Displayは現在、世界の顧客企業10社余りと供給に向けた協議を進めており、2026年下期から本格量産に入る予定だ。
Samsung Displayの大型ディスプレイ事業部 戦略マーケティングチーム長(常務)を務めるチョン・ヨンウク氏は、「多くの顧客企業から、超高解像度、高リフレッシュレート、高輝度、視認性といったプレミアムモニターに求められる要素を満たした完成度の高い製品だとの評価を得ている」と述べた。そのうえで、「QD-OLEDが持つ本質的な画質優位性と継続的な研究開発を通じて、市場の期待を上回る革新的な製品を引き続き投入していく」とコメントした。