Amazonは5月27日(現地時間)、自社のAI買い物支援技術を小売企業向けに外部提供する方針だ。CNBCが報じた。
提供するのは、「Alexa for Shopping」で培った技術基盤やスターターコード、運用ノウハウをまとめたパッケージだ。小売企業はこれを活用し、自社のオンラインストアや商品カタログ、ブランドに合わせたAIショッピングツールを構築できる。Amazonによると、導入から最短60日でサービスを立ち上げられるという。
今回の取り組みは、社内で開発した技術を外部サービスとして展開する戦略の一環とみられる。
Amazonは約20年前にAmazon Web Services(AWS)を立ち上げ、同様の手法で事業を拡大してきた。その後も、無人決済や物流倉庫、サプライチェーン関連の技術を外部向けサービスとして展開している。
今月初めには、EC向けチャットボットの名称を「Rufus」から「Alexa for Shopping」に変更し、検索時の標準機能として適用した。
新サービスはAWS経由で提供する。Amazonはこの方式により、データ共有に慎重な小売企業でも導入しやすくなるとみている。
すでにTapestry傘下の高級ファッションブランドKate Spadeを顧客として獲得した。Kate Spadeはこのサービスを使い、ギフトアシスタントを導入したという。このほかの小売企業もテストを進めている。
Amazonはこれまで、競合するAIプラットフォームとの連携には慎重な姿勢を取ってきた。一方で、「Alexa for Shopping」のような社内ツールの開発を進めるとともに、外部エージェントによる自社サイトのスクレイピングも制限してきた。
Amazonは、小売企業がショッピング体験の主導権を外部の仲介事業者に委ねるのではなく、自らAIツールを構築すべきだと強調している。小売企業は自社の商品や顧客、カテゴリーに関する深い知見を持っており、汎用AIがそれに追いつくのは容易ではないとの考えを示した。