Microsoftが、社内で利用してきたClaude Codeのライセンスの大半を停止し、エンジニアにGitHub Copilot CLIへの移行を促していることが分かった。背景には、利用拡大に伴い膨らむトークン課金のコストがある。
Fortuneによると、Microsoftは約6カ月前、開発者や企画担当、デザイナーら数千人にClaude Codeを開放した。社内では急速に利用が広がったが、利用規模の拡大を受けて方針を見直したという。
今回の措置は、MicrosoftによるAnthropicへの最大50億ドル(約7500億円)の投資や、AnthropicがAzureのコンピューティング容量を300億ドル(約4兆5000億円)相当購入する契約には影響しないとしている。
同様の動きはMicrosoftに限らない。UberのCTO、プラビン・ネパリ・ナガ氏は4月、2026年分として確保していたAIコーディングツールの予算を、4カ月で使い切ったと明らかにした。Uberはこれまで、チームごとのAIツール利用量ランキングを作成するなど、導入を後押ししてきた。
背景には、利用が増えるほど費用も膨らむトークン課金の構造がある。Goldman Sachsは、エージェント型AIの普及によって、2030年までにトークン消費量が24倍に増え、月間120京トークンに達する可能性があると予測している。
一方で、トークン単価は低下する見通しだ。Gartnerの報告書によると、2030年までに1兆パラメータ級LLMの推論コストは、2025年比で約90%下がると見込まれている。
ただ、単価下落がそのまま企業のAI支出の減少につながるとは限らない。Gartnerは、トークン価格が下がっても企業全体のAIコストは下がりにくいとの見方を示している。Fortuneは、エージェント型モデルは一般的なモデルに比べてタスク当たりのトークン消費が大きく、消費量の増加が単価下落を上回るうえ、AI企業も単価低下分をそのまま価格に反映しないためだと伝えた。
Gartnerのシニアディレクター・アナリスト、ウィル・ゾマー氏は「単純なAIタスク向けトークンの価格が下がっても、最先端モデルの利用コストまで下がるわけではない」と述べた。