Ethereumのイメージ写真(写真=Shutterstock)

暗号資産Ethereum(ETH)で、1億ドル(約150億円)超の大口ショートポジションが相場反発を受けて清算ラインに接近している。ビタリック・ブテリン氏はEthereum FoundationによるETH売却の縮小方針を示した一方、ETH現物ETFでは資金流出が続いており、市場には強弱材料が交錯している。

Cointelegraphが25日(現地時間)に報じたところによると、関連ウォレット「0x50b...」は約4万7600ETHのショートポジションを保有している。ポジション規模は約1億72万ドル(約150億円)に上る。

Hypurrscanのデータでは、このアドレスは約23倍のクロスマージン・レバレッジをかけ、参入価格は2094.92ドル。ETHが2115ドル前後で推移するなか、含み損は約99万4000ドル(約1億4900万円)まで膨らみ、資金調達コストも約2145ドル発生している。

市場の焦点は、清算価格が2150ドル近辺にある点だ。ETHが一段高となれば損失は100万ドル(約1億5000万円)を超える可能性があり、清算ラインに達した場合はポジションが強制解消される公算が大きい。足元のETHは、週末に付けた2000ドル近辺の安値から持ち直している。

こうした大口ショートが積み上がる一方で、市場ではEthereum Foundationの売却姿勢にも注目が集まっている。共同創業者のビタリック・ブテリン氏はX(旧Twitter)への長文投稿で、Ethereum FoundationによるETH売却の規模を縮小する考えを示した。研究者の相次ぐ離脱を受け、財団運営を巡る批判が強まっていたことが背景にあるとみられる。

ブテリン氏は、財団が拡張性よりも持続可能性を重視しているとも説明した。支出の削減や業務範囲の縮小に加え、Ethereumの「中央司令部」のような役割は担わない方針を示した格好だ。市場ではこれまでも、財団によるトークン売却が弱気局面で価格の重荷になるとの批判が繰り返されてきた。

Arkham Intelligenceによると、Ethereum Foundationは2026年に入って約2万ETHを売却し、4500万ドル(約67億5000万円)超を確保した。一方で、流動性のある財務資産として約10万3000ETHを保有し、さらに7万ETHをステーキングしている。

その一方で、機関投資家の慎重姿勢も鮮明になっている。2026年に入り、一部の大口投資家はETHへのエクスポージャーを縮小した。Harvard Management Companyは8700万ドル(約130億5000万円)規模のETH現物ETFポジションを四半期中に解消したとされ、Goldman SachsもETH現物ETFの保有を約70%減らしたという。

ETH現物ETFからの資金流出も続く。5月の純流出額は2億9500万ドル(約442億5000万円)を超え、2026年の累計流出額は9億4500万ドル(約1417億5000万円)を上回った。Ethereumの長期支持者として知られるBankless共同創業者のデイビッド・ホフマン氏も、個人保有するETHをすべて売却したと明らかにしており、投資家心理の冷え込みを映す動きとなっている。

もっとも、中長期で強気の見方を維持する市場参加者もいる。暗号資産アナリストのタナカ氏は、ETHを長期の買い対象と位置付け、競合チェーンが容易に置き換えられないオンチェーン経済の基盤が依然として残っているとの見方を示した。

Token Terminalによると、Ethereumは約430億ドル(約6450億円)のDeFi流動性、1650億ドル(約2兆4750億円)超のステーブルコイン、さらに公開ブロックチェーン全体のトークン化資産の約55%をなお支えている。短期的には2150ドル近辺の清算ラインを巡る攻防が焦点となる一方、中期的には財団の売却縮小方針と機関資金の流出基調が、ETH相場の方向感を左右しそうだ。

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