OpenAI 写真=Shutterstock

OpenAIはコーディング向けAIエージェント「Codex」の伸びを追い風に売上を拡大しているが、巨額赤字とChatGPTの成長鈍化が重荷となり、IPO判断は難しさを増している。競合のAnthropicが急成長する一方、Googleも検索事業を軸に生成AIの攻勢を強めており、競争環境は一段と厳しくなっている。

米The Informationが関係者2人の話として報じたところによると、OpenAIの1~3月期売上高は57億ドルに達した。Anthropicを約10億ドル上回る水準だったという。

ただ、その後はAnthropicが再びOpenAIを上回った可能性がある。The Informationは、足元の成長ペースを踏まえると、年末にかけて両社の売上差がさらに広がる可能性があると伝えた。OpenAIとAnthropicはいずれも年内のIPOを目指している。

Anthropicの年換算売上高は450億ドル規模とされる。一方、OpenAIは直近で300億ドルを超えたという。Anthropicはこの2四半期で売上がほぼ倍増し、110億ドル規模に達する見通しも示した。営業利益も6億ドルに達する見通しだ。

CNBCも最近、Anthropicの2026年4~6月期売上高が109億ドルになるとの見通しを報じた。前年の年間売上を1四半期で上回る計算になる。

OpenAIの4~6月期見通しは現時点で明らかになっていない。ただ、主力製品の実績は改善しており、売上成長につながる可能性があるとThe Informationは報じている。

関係者の1人によると、OpenAIは3月に「GPT 5.5」を投入したほか、最新の画像生成モデルでもユーザーベースを急速に拡大したという。

現在の傾向が続けば、OpenAIは年間売上目標の300億ドルを達成する可能性が高い。ただ、巨額の赤字構造が続いているうえ、主力サービスであるChatGPTの成長が鈍化している点は大きな課題だ。

The Informationが引用した関係者によると、OpenAIは投資家に対し、1~3月期の調整後営業利益率がマイナス122%だったと説明した。売上1ドル当たり1.22ドルを失っている計算になる。株式報酬費用などを含めれば、赤字幅はさらに膨らむ可能性がある。

OpenAIは昨年、ChatGPTのユーザー数を10億人に到達させる目標を達成できなかった。1~3月期のChatGPT平均ユーザー数は9億500万人規模とされ、2月末に週間ユーザー数が9億2000万人を超えた後は伸びが続いていないという。3月のChatGPTユーザー数は確認されていない。

こうした中、Googleは数十億人のユーザーを抱える主力の検索エンジンに「Gemini」を段階的に深く組み込み、ChatGPTへの競争圧力を強めている。Geminiチャットボットの月間ユーザー数は2月に7億5000万人を超えた。

Googleは最近開催した年次開発者会議「I/O」で、検索サービスをリンク一覧中心から対話型AI中心へ切り替える方針を打ち出した。今回の見直しでは、25年以上維持してきた検索窓をAIベースで再設計することが柱になるとしている。

さらにGoogleは、ユーザーのデジタル環境全体を横断し、ユーザーに代わって作業をこなすパーソナルエージェント「Gemini Spark」も公開した。画像、音声、動画、テキストを同時に理解し、映像も生成できるマルチモーダルAIモデル「Gemini Omni」も投入している。Googleが検索のAIシフトを加速する中、この市場を狙うスタートアップ各社も相次いで大型調達を進めている。

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