写真=Rippleのブレッド・ガーリングハウスCEO

Rippleのブレッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)は、米国で審議が続くデジタル資産市場構造法案「CLARITY Act」について、今後2週間が成立の可否を左右する重要局面になるとの認識を示した。上院で議論が前進しなければ、法案成立は大きく遠のく可能性があるという。

Cointelegraphが5日(現地時間)に伝えたところによると、ガーリングハウス氏は、上院議員らがステーブルコイン収益を巡る折衷案を示した後も、法案成立を楽観視できる状況にはないと述べた。

同氏は、米マイアミで開かれた「Consensus」で、今後2週間以内にCLARITY Actが審議の俎上に載らなければ、成立の可能性は急速にしぼむとの見方を示した。2026年の米中間選挙を控え、予備選を含む政治日程が本格化すれば、法案が政治的な争点になりかねないとも指摘した。

法案の内容についても、なお不完全だとの認識を示した。「CLARITY Actが完璧かと問われれば、まったくそうではない」としたうえで、「完璧な法案などあるのか。立法には折衷と妥協が伴うが、混乱より明確さが重要だ」と語った。業界としては、理想論よりも、管轄や基準を明確にする制度整備を重視していることをにじませた。

今回の発言は、トム・ティリス上院議員とアンジェラ・オルスブルックス上院議員が先週、ステーブルコイン収益を巡る折衷案を公表した後に出たものだ。上院ではこのほか、トークン化株式や倫理面の論点も法案審議の足かせとなってきた。CLARITY Actは2025年7月に下院を通過した後も、上院で追加協議が続いている。

上院ではなお手続きが残っている。CLARITY Actは1月に上院農業委員会で審査が進んだが、本会議で採決する前に、上院銀行委員会の承認も必要になる。ガーリングハウス氏とRipple経営陣はこれまで、ホワイトハウス関係者のほか、暗号資産業界や銀行業界の代表らとの協議に参加してきたという。

業界がCLARITY Actに注目するのは、この法案がデジタル資産の法的位置付けと監督権限を整理する市場構造法案だからだ。米暗号資産企業はこれまで、同じ資産であっても有価証券に当たるのか商品に当たるのか、また、どの当局の監督を受けるのかが不明確だと訴えてきた。

法案が成立すれば、取引所や発行体、投資家にとって規制の見通しは立てやすくなる可能性がある。一方、成立が遅れれば、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)による従来の法執行中心の規制に依存する流れが続く公算が大きい。これは、米国のデジタル資産事業者の投資判断や上場、商品投入の戦略にも影響を及ぼし得る。

上院内では、法案処理を急ぐべきだとの声も上がっている。銀行委員会に所属するシンシア・ルミス上院議員はX(旧Twitter)に、「CLARITY Actは将来の優先課題ではなく、今取り組むべき最優先事項だ」と投稿した。そのうえで、「業界全体が法的不確実性の下で事業を運営しており、これを正す権限は議会にある。上院は行動すべきだ」と訴えた。

規制当局も、立法の空白が続くことを前提に動き始めている。SECとCFTCは3月、デジタル資産の市場構造監督で連携するための覚書を締結した。ポール・アトキンスSEC委員長は、暗号資産を巡る当局の法執行アプローチが終わったのではなく、むしろ新たな段階に入ったとの認識を示しつつ、委員会としてはCLARITY Actの成立を待っていると述べた。

CLARITY Actをいつ処理できるかは、米国の暗号資産規制の方向性を左右する焦点になっている。上院が短期間で審議を前に進められなければ、中間選挙を意識した政治日程と重なって立法の推進力が弱まる可能性がある。一方で、今回の折衷案が追加協議の足掛かりとなれば、市場構造規制の大枠が具体化する余地も残されている。

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