写真=Reve AI

人手を介さず業務を処理するAIエージェントへの関心が高まる中、テック企業の間でインフラの見直しが進んでいる。ハードウェアだけでなく、クラウドCRMや決済、ソフトウェア開発基盤でも、AIエージェントを前提にした再設計が本格化してきた。

世界最大のクラウドCRM企業であるSalesforceはこのほど、AIエージェント向けCRM「Salesforce Headless 360」を発表した。従来のように人が画面を開いて操作する前提を外し、AIエージェントがSalesforceの機能を直接利用できるようにするのが特徴だ。

Headless 360では、AIエージェントがAPIやMCPツール、コマンドラインインターフェース(CLI)を通じてSalesforceプラットフォームの機能を呼び出し、実行できる。従来のWeb画面中心の利用モデルから、画面を介さない運用へと軸足を移す形となる。

BoxのCEO、アーロン・レビ氏は、AIエージェントが人間以上にソフトウェアを使う時代には、ソフトウェア利用が一段と拡大するとした上で、ソフトウェアの事業モデルがヘッドレス型へ移行するのは避けられないとの見方を示した。

SalesforceはITサービス管理(ITSM)市場の開拓も加速している。AI機能を後付けで追加するのではなく、プラットフォームに当初から組み込んでいる点を差別化要因として打ち出している。

決済業界でも、AIエージェント対応の動きが活発化している。Visaは、AIエージェントが消費者に代わって決済できるプラットフォーム「Intelligent Commerce Connect」を公開した。AIエージェントによる商取引を支える決済基盤づくりが本格化しつつある。

関連分野では、主要AI企業による製品更新も相次いでいる。OpenAIは、企業のAIエージェント開発を支援するエージェント向けソフトウェア開発キット(SDK)を更新した。あわせて、サイバーセキュリティ機能を備えた「GPT-5.4-Cyber」を、本人確認を終えたユーザー向けに段階的に提供拡大する計画も明らかにした。

ChatGPTは、Hancom Officeの「Hangul」文書形式であるHWP、HWPXファイルにも対応する。単なる利便性向上にとどまらず、金融機関や公共機関などでの利用拡大をにらんだ動きとの受け止めもある。

Anthropicは、デザイン経験のないユーザーでもプロトタイプやスライドなどのビジュアル資料を作成できる「Claude Design」をリサーチプレビューとして公開した。ユーザーが要件を入力するとClaudeが初期案を作成し、その後の編集や追加指示で仕上げられるという。

同社はAIモデル「Claude Opus 4.7」も発表した。ただ、一部ユーザーの間では反発も出ており、批判の多くは新たに導入した「adaptive reasoning(適応型推論)」機能に向けられている。

Googleは「AI Mode」に、夏の旅行計画を支援する新機能2種類を追加すると発表した。店舗在庫の確認機能と、ホテル価格の追跡機能を提供する。

Microsoft傘下のLinkedInが昨秋投入したAI製品も注目を集めている。Microsoft経営陣の関心を集めるほどの成果を示しているとされ、2025年9月の提供開始以降、「Hiring Assistant」の顧客数は週次ベースで36%増加している。平均利用量も増えているという。

適切な候補者プールを絞り込む能力が、採用担当者から高く評価されていると伝えられた。こうした中、Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」に、オープンソースのAIエージェントツール「OpenClaw」に似た機能を統合する方向でテストを進めているとされる。

AIコーディングのスタートアップであるCursorは、企業価値を500億ドルと見込み、20億ドル超の新規資金調達に向けた交渉を進めていると報じられた。

セキュリティ企業とAI企業の提携も広がっている。ZscalerはOpenAIと連携し、セキュリティプラットフォーム全般に最新AIモデルを組み込む方針だ。

このほか、LG AI ResearchはLondon Stock Exchange Group(LSEG)およびKiwoom Securitiesとともに、個人投資家向けの金融AIエージェントサービスを推進する。Samsung SDSは「国会ビッグデータプラットフォーム(AI国会)構築1段階事業」を完了し、「国会AI議政支援プラットフォーム」を正式に公開した。

Fasooは社名を「Fasoo AI」に変更し、AI転換(AX)ソリューション企業への飛躍に向けたビジョンを発表した。

AIエージェント企業AgileSodaは、追加のモデル学習なしで適用できるAI文書処理自動化プラットフォーム「Agentic OCR」を発売した。JiranjigyoSoftは、社内データを基盤に業務を実行する企業向けAIソリューション「OfficeAgent」を投入した。

Wantedlabは、企業向けAIエージェントの生成・運用ソリューションブランドを「ennoia」に改編し、全社的なAX市場の開拓に乗り出す。Upstageは、総額1800億ウォンのシリーズC第1回投資を完了した。今回の資金調達により、企業価値は1兆ウォン超と評価された。

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