画像=World

サム・アルトマン氏が関わる認証プロジェクト「World」が、人間であることを証明する認証基盤「World ID」の展開を拡大する。デーティングアプリや公演チケット、法人向けサービスなどに対象を広げ、ZoomやDocuSignとの連携も進める。

TechCrunchが17日(現地時間)に報じたところによると、Worldはデーティングアプリ、公演チケット、企業向けサービス、メール分野などで自社の認証技術を広げる計画だ。

Worldは、かつて「Worldcoin」として知られていたプロジェクト。匿名性を保ちながら、デジタルサービスの利用者が実在する本人であることを証明する仕組みを掲げている。

中核となるのは「Orb」と呼ばれる球体型デバイスだ。ユーザーの虹彩を読み取り、匿名化された固有の識別子に変換し、検証済みのWorld IDとして利用する。ただ、Worldアプリ自体はOrbによる認証がなくても利用できる。

今回の拡大で最初の展開先となるのがデーティングアプリ分野だ。Tinderは2025年に日本でWorld IDの試験運用を実施しており、これを米国を含むグローバル市場に広げる。認証を受けたユーザーのプロフィールには、World IDの認証済みであることを示す表示が付く。

公演チケット分野にも参入する。Worldは「Concert Kit」を投入し、アーティストがWorld IDで認証されたユーザー向けに一定数のチケットを配分できるようにする。購入ボットを使った転売対策を想定した仕組みという。

この仕組みはTicketmasterやEventbriteなど主要チケットシステムと連携し、30 Seconds to MarsとBruno Marsの今後のツアーで活用する計画だ。

法人向けサービスとの連携も打ち出した。ZoomとはWorld IDを接続し、ビデオ会議の参加者が実在する人物かどうかの確認を通じてディープフェイク対策に活用する。DocuSignとは、電子署名の本人確認で協業する。

このほか、自身のWorld IDをエージェントに委任し、オンライン上の活動を代行させる「エージェント委任」機能も準備している。Oktaとは、特定のエージェントが実際の人間の代理として動作しているかを検証するベータシステムを構築した。

Worldは認証基盤の拡張も進める。これまで最も厳格なOrbによる虹彩認証は、利用者が拠点まで足を運ぶ必要があり、普及の制約となっていた。

このため、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコでOrbの設置を大幅に増やすほか、利用希望先にOrbを持ち込む方式も導入した。

認証手段も多層化する。最上位のOrb認証に加え、政府発行の身分証に搭載されたNFCチップを使う中間段階の認証を新設した。さらに、セルフィーだけで完結する簡易認証「Selfie Check」も追加した。

開発者は、必要なセキュリティ水準に応じてこれら3段階の認証方式を選べるようになる。

AIやボットの活用が広がる中、Worldはサービスごとに必要な認証レベルを選べる体制を整える。虹彩認証を軸に据えつつ、身分証やセルフィー確認まで認証手段を広げることで、適用範囲の拡大を図る。

キーワード

#World #World ID #Tinder #Zoom #DocuSign #AI #ディープフェイク #本人確認
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.