写真=Shutterstock

中国で、AIエージェントが利用者に代わって商品検索から決済までこなす「エージェント型コマース」が急速に広がっている。Harvard Business Review(HBR)オンライン版は17日、こうした動きが広がることで、企業には広告や販促中心の従来戦略の見直しが迫られると報じた。

HBRによると、Meituanは2025年末にAIエージェント「Xiaomei」を投入した。利用者が「いつもの昼食を、きょうは20分遅らせて届けて」と指示すると、Xiaomeiが意図をくみ取り、好みに合わせて注文を進め、追加の操作なしで決済まで完了させるという。

Alibabaの「Qwen Agent」は、ショッピングアプリ「Taobao」、決済アプリ「Alipay」、地図アプリ「Amap」など同社の各種アプリをまたいで利用者の作業を代行する。利用者が操作するのは、最終判断など直接の関与が必要な場面に限られるとしている。

Ant Groupの「AQ Health」アプリは、保険内容の確認や病院の予約も自動で処理する。HBRは、中国がエージェント型コマースの先行市場となっている背景として、決済や本人確認インフラの普及、きめ細かな物流網、スーパーアプリを軸にしたエコシステム統合、消費者の受容性の高さを挙げた。

Stanford AI Index 2025によると、AI製品について「欠点より利点が大きい」と答えた割合は、中国が83%で、米国の39%を大きく上回った。

HBRが特に注目するのは、企業の価値の生み出し方が変わる点だ。AIエージェントが利用者に代わって選択肢を絞り込むようになれば、企業が広告やマーケティングで消費者の関心を引く従来型の手法は効きにくくなる。消費者を説得するよりも、AIエージェントに選ばれることが重要になるという。

HBRはこれを「agent shelf」を巡る競争と表現した。サービス水準、トラブルや返金の発生率、ポリシーの明確さ、構造化された商品データといった、機械が読み取れる信頼性のシグナルが、選ばれるかどうかを左右するとしている。

キーワード

#AI #AIエージェント #エージェント型コマース #中国 #Meituan #Alibaba #Ant Group #Harvard Business Review
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.