Appleが今秋にも、同社初の折りたたみiPhoneを投入するとの観測が浮上している。製品名は「iPhone Ultra」が有力視されており、従来のiPhoneとは異なる筐体設計に加え、ソフトウェアや生体認証の仕様も大きく変わる可能性がある。
9to5Macは4月15日(現地時間)、この新モデルがAppleのiPhoneで最上位の価格帯になる公算が大きいと報じた。一般的なストレート型iPhoneとは一線を画す設計になる見通しだという。
最大の特徴はフォームファクターだ。端末は内側に折りたたむブック型を採用するとの見方が強く、展開時には従来の縦長iPhoneより横幅の広い形状になるとみられている。
外側ディスプレイは横長寄りの比率、内側ディスプレイはサイズ感やアスペクト比の面でiPad miniに近い使い勝手になるとの指摘もある。内側パネルには、折り目が目立ちにくいクリーズフリー設計が採用される可能性もある。
デザイン面では、iPhone Airの薄型コンセプトを一部取り込むとの観測も出ている。フレームにはチタニウムを採用し、展開時の厚さを極力抑える方向とされる。折りたたんだ状態では、薄型のiPhone Airを2台重ねたような印象になるとの見方もある。
本体カラーは、黒と白の2色に絞られる可能性がある。
ディスプレイは外側と内側の2枚構成になる見通しだ。サイズは外側が5.3~5.5インチ、内側が7.6~7.8インチと取り沙汰されている。外側はサイズだけ見ればiPhone miniを想起させる一方、アスペクト比はより横長になる見込み。内側は、手にした際の感覚がiPad miniに近づくとみられる。
カメラ構成はProラインとは差別化される可能性が高い。背面には4800万画素の広角カメラと4800万画素の超広角カメラを搭載し、望遠カメラは省かれる見通しだ。
この構成になれば、Ultraを選ぶユーザーは、Proモデルに比べてズーム撮影や望遠撮影の面で一定の割り切りを求められることになる。
一方、ディスプレイを2枚備えるため、前面カメラも外側と内側にそれぞれ1基ずつ、計2基を搭載するとみられる。前面カメラは、昨年のiPhone 17で採用された1800万画素のセンターステージ対応カメラに近い仕様が取り沙汰されており、ディスプレイはパンチホール型になる可能性がある。
ソフトウェア面では、iOS 27が中核を担う見通しだ。Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、AppleはiPhone Ultra向けにマルチタスク機能を強化する可能性がある。
具体的には、複数アプリを並べて表示する分割表示や、アプリの配置を最適化する仕組みなどが候補に挙がっている。ただし、iPadOS 26に近い機能群をそのまま載せたり、展開時にiPadOSを動作させたりする形にはならないとの見方が示された。
チップセットや通信部品には最新世代の採用が有力だ。iPhone UltraはiPhone 18 Proと同じく、A20 ProチップとC2セルラーモデムを搭載すると予想されている。
A20 Proは、2ナノプロセスとWMCM(ウェハーレベル・マルチチップ・モジュール)の採用により、従来以上に効率改善が進むアップグレードになるとの観測が出ている。
メモリはA19 Proと同じ12GB RAMを維持しつつ、より高速なLPDDR5を採用する可能性がある。C2はAppleの次世代自社製セルラーモデムで、Qualcommの5Gモデムを置き換えるApple設計の通信部品とされる。
生体認証では、むしろTouch IDへの回帰が注目点になりそうだ。iPhone Ultraは、名称とは対照的にFace IDではなくTouch IDを採用する可能性が高いという。
Appleは電源ボタンに指紋認証を統合する方式を検討しているとされ、実装はiPad AirやiPad miniに近い形になる可能性がある。端末の薄型化に伴い、Face IDに必要な部品を2つのディスプレイに対応させて収めるのが難しいため、との見方も出ている。
価格を巡っては見方が分かれている。複数のアナリストは、256GBモデルの開始価格を1999ドル前後と予想する一方、これを下回る、あるいは上回る可能性も指摘されている。
ただし、「最も高価なiPhone」になるとの見方ではおおむね一致している。iPhoneとiPadの中間に位置する新たなカテゴリーを志向した製品である以上、価格設定も最上位のプレミアム帯に置かれる公算が大きいという。
こうした点を踏まえると、iPhone Ultraは単なる新製品ではなく、Appleのモバイル製品群再編を占う試金石になりそうだ。画面サイズや使い方は従来のiPhoneよりも広い表示領域を前提に設計され、ソフトウェアにはiPad的な要素を一部取り込み、生体認証とカメラ構成でも既存のProラインとは異なる選択が示される可能性がある。
今秋、製品名が本当にiPhone Ultraとなるのか。Appleが折りたたみ市場でどのような差別化を打ち出すのかに注目が集まる。