画像=XRPL(XRP Ledger)

XRPL(XRP Ledger)は14日、ゼロ知識証明(ZK証明)の検証機能をネイティブに扱う方針を示した。Boundlessとの連携を通じて、公開ブロックチェーン上でも金融機関が求めるプライバシーを確保しやすくする仕組みを整える。

CoinDeskによると、今回の取り組みは、金融機関によるパブリックブロックチェーン活用の障壁となってきた情報開示の問題に対応するものだ。パブリックチェーンでは、取引の流れや財務ポジション、取引先との関係性が可視化されやすい。

銀行のクロスボーダー決済や、ファンドによる店頭取引(OTC)ポジションの運用では、こうした透明性が競争上の不利につながる可能性がある。XRPLは、この課題に対し、ZK証明を組み合わせることで対応する考えだ。

ZK証明は、元となるデータを開示せずに、特定の主張が正しいことだけを証明する暗号技術。XRPLは、信用審査の考え方に近い仕組みとして説明している。例えば、融資の適格性は確認できても、所得や負債、口座残高といった詳細までは開示しない形に近いという。

これによりXRPL上では、決済が有効であることや、資金に適切な裏付けがあること、規制要件を満たしていることを検証しながら、金額や送受信者を公開台帳上で明かさずに済むようになるとしている。金融機関にとっては、コンプライアンスと取引情報の秘匿を両立しやすくなる格好だ。

今回の連携は、XRPLがすでに構築している機関向けネットワークとも接続する。現在は、日本のSBIホールディングス、アラブ首長国連邦(UAE)のZand Bank、英国のArcas、米国のGuggenheim Treasury Servicesが同ネットワークを利用しているという。

XRPLのエコシステム施策には、これまでに5億5000万ドル超(約825億円)が投じられている。Boundlessとの連携により、こうした機関ユーザーは、従来の台帳では確保しにくかったプライバシー保護の手段を得ることになる。

市場では、今回の発表を単なる機能追加ではなく、機関利用の拡大を見据えた基盤整備とみる向きがある。パブリックブロックチェーンの強みである検証可能性を維持しつつ、金融機関が敏感になりやすい取引情報の露出を抑える狙いがあるためだ。

XRPLは、こうした形での導入は自社台帳では初めてだとしている。

発表のタイミングにも注目が集まっている。今月のブロックチェーン業界では、暗号技術の耐久性を巡る議論が続いており、Googleが量子コンピューティングに関する論文を公表して以降、主要チェーンが既存の暗号基盤の前提を見直しているという。

ZK証明は、量子コンピューティングの影響が集中するとされる楕円曲線暗号とは異なる数学的基盤で動作するとされる。一部のZK証明システムは、すでに耐量子性を備えると評価されているほか、既存の署名方式に比べてポスト量子暗号への移行がしやすいとの指摘もある。

このため、XRPLがこのタイミングでZK証明インフラの拡充を打ち出したことは、量子コンピューティングを巡る議論の中心にある既存暗号体系とは別の基盤で、ネットワークの機能を広げる動きと受け止められている。

今後の焦点は、実際に金融機関がこうしたプライバシー機能をどの程度の速さで導入するかにある。XRPLは、取引の有効性や資金の適正、規制順守を証明しながら、取引の詳細を秘匿できる仕組みを整えるとしており、パブリックブロックチェーン上で機関需要を取り込めるかどうかの試金石となりそうだ。

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