日本政府は、先端半導体の国産化を進めるRapidusに対し、2026年度の研究開発費として6315億円を追加支援する。試作品の評価や歩留まり改善に充て、2027年度下半期としてきた2nm半導体の量産目標の前倒しを後押しする。政府による支援総額は累計で2兆3540億円に拡大する。
ITmediaが13日に報じた。アカザワ・リョウセイ経済産業相は、北海道千歳市のRapidus工場で開かれた新施設の開所式で、追加支援の方針を明らかにした。Rapidusは回路線幅2nmプロセスの先端半導体量産を進めており、新たな資金は試作品の性能評価と歩留まり向上に充てる。支援案は今年3月、外部有識者会合で了承された。
今回の決定により、政府のRapidus支援は累計2兆3540億円となる。これとは別に、政府は2025年度と2026年度に2500億円を出資する予定だ。研究開発支援に加え、資本面でも支援を進めることで、Rapidusを国家プロジェクトとして後押しする構えだ。
アカザワ経済産業相は現地で、Rapidusのコイケ・アツヨシ社長やスズキ・ナオミチ北海道知事らを前に、Rapidusを「国益のため必ず成功しなければならない国家プロジェクト」と位置付けたうえで、「豊かな日本を続けるため絶対的に必要だ」と強調した。
政府は生産基盤の整備に加え、将来の顧客開拓につながる設計分野の支援にも乗り出す。アカザワ経済産業相は、Fujitsuと日本IBMによる先端半導体の設計プロジェクト2件への支援も公表した。
Rapidusを巡っては、顧客基盤の弱さを懸念する声が出ている。経済産業省関係者は、設計分野への支援が将来的なRapidusへの製造委託につながることに期待を示した。
千歳工場では同日、試作品の品質を評価する分析センターと、後工程を担う研究開発拠点の開所式も開かれた。分析センターは試作品の性能や品質を検証し、その結果を生産工程に反映して歩留まり向上につなげる役割を担う。同じ敷地内に整備することで、工程修正の迅速化も見込む。
後工程の研究開発拠点では、組み立て工程などでの技術革新を目指す。政府はこの分野について、日本企業が競争力を持ち、今後の成長余地も大きい領域とみている。量産ラインの整備だけでなく、設計、評価、後工程まで含めたエコシステムの構築を進める狙いがある。
こうした支援は、日本の長期的な半導体産業育成策とも連動する。政府は、国内の半導体製造売上高を2022年の6兆円から2040年に40兆円へ引き上げる方針を掲げた。
その実現に向け、Rapidusでは量産スケジュールの順守に加え、顧客基盤の拡大と歩留まり改善が引き続き重要課題となる。