ビットコイン(写真=Shutterstock)

ビットコイン市場で、ステーブルコインに退避していた資金が再びビットコインに向かい始めた可能性が出てきた。オンチェーン指標と先物市場の動きの双方で、投資家心理の変化を示すシグナルが確認されている。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが11日、こうした市場動向を伝えた。焦点となっているのは、ステーブルコインとビットコインの間で起きている資金フローの変化だ。

アナリストのDarkfostによると、2月末時点でビットコインの実現時価総額はマイナス287億ドルまで落ち込んだ一方、ステーブルコインの時価総額は60億ドル超まで増加した。投資家が市場から完全に離れるのではなく、ステーブルコインに資金を移して防御的な姿勢を取っていたことを示す動きとみられている。

Darkfostは、この局面について、前回の弱気相場以降で初めて確認された資金のローテーションだったと説明した。投資家が資本保全を優先していたことを示す明確なサインだったとしている。

その後、市場の流れには再び変化がみられた。ビットコインの実現時価総額はマイナス30億ドル程度まで持ち直し、ステーブルコイン時価総額の増減幅はマイナス10億ドルまで縮小した。これを受け、市場で待機していた資金が再びビットコインへ向かい始めたとの見方が出ている。

デリバティブ市場でも同様の変化が表れている。アナリストのミハエル・バン・デ・ポッペは、投機筋がビットコインのネット買いポジションに戻ったと指摘した。

同氏は、この動きが2023年の大幅上昇局面の直前に見られたパターンと非常に似ていると評価した。あわせて、商業参加者のネットポジションが売り越しとなり、投機筋とは逆の構図になっている点にも言及した。

その上で、ビットコインが8万ドルから8万5000ドルのレンジまで上昇する可能性があるとの見方を示した。ただ、相場の方向感を断定することは避けた。

「このデータが大規模な上方ブレイクを保証するわけではない」としつつ、2カ月にわたってレンジ相場が続くなかでも市場が一段安に進まなかった点を踏まえ、今後はボラティリティが拡大する可能性を重視した。

資金フローの変化が生じたタイミングにも注目が集まっている。Darkfostは、イランを巡る紛争をめぐる不確実性がピークに達した頃から、資金の流れに変化が現れ始めたと説明した。

一部の投資家が、こうした状況に伴うインフレや経済リスクへのヘッジ手段として、ビットコインを見直し始めた可能性があるとの見方も示した。

価格面でも、この流れに沿った動きが出ている。ビットコインは紛争開始後に10%超上昇した。現時点で上昇幅はなお限定的だが、資金シフトが続けば反発基調が続く可能性がある。

もっとも、市場がすでに明確な上昇トレンドに入ったと判断するのは時期尚早だ。オンチェーン指標と先物市場のデータは資金再流入の可能性を示す一方で、相場変動の拡大リスクも同時に示している。足元のビットコイン市場は、ステーブルコインに滞留していた資金が本格的なトレンド転換につながるのか、それとも短期的な反発にとどまるのかを見極める局面にある。

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