米議会は、中国の主要半導体企業向けの半導体製造装置について、販売だけでなく保守や技術支援まで制限する新たな輸出規制法案「MATCH Act」を提出した。ASMLの浸漬型DUV露光装置も対象に含み、同盟国にも同水準の規制強化を求める内容となっている。
3日付のCryptopolitanによると、法案は共和党、民主党両党の議員が共同で提出した。中国国内で代替が難しい中核装置へのアクセスを一段と狭めるのが狙いだ。
法案の柱は、AI分野での競争を踏まえ、米国の優位性維持に向けて中国企業の装置調達を抑え込む点にある。これまでの対中規制は、トランプ、バイデン両政権の下で主にホワイトハウス主導で進められてきたが、今回は議会が前面に立って法制化を図る動きとなる。法案提出にはマイケル・バウムガルトナー下院議員や、下院中国特別委員会の委員長を務めるジョン・ムレナール下院議員らが加わった。
法案は、ASMLの浸漬型DUV露光装置を明確に規制対象に据えた。中国は同装置を主にASMLから調達しており、一部はNikonも供給してきた。米国はすでにASMLの最先端EUV装置の対中輸出を禁じているが、MATCH Actではさらに踏み込み、旧世代のDUV装置についても販売と保守を制限する。
対象企業も具体的に明記した。SMIC、華虹、Huawei、CXMT、YMTCとその関連企業が含まれる。法案が成立すれば、これらの企業には米国のエンティティ・リスト掲載企業と同様の枠組みで、輸出、サービス、技術支援の制限が課される。
また、法案は同盟国にも同等の輸出管理を求める。同盟国が150日以内に自国の規制強化を講じたと示せない場合、米商務省が直接制限措置を発動できるようにする。あわせて、米国製ソフトウェアや技術、部品を含む海外生産品に対する米国の統制権限も拡大する。
実施されれば、ASMLへの影響は大きい。中国は2025年、ASML売上高の33%を占める最大市場だった。2026年には、この比率が20%前後まで低下する見通しだ。
オランダ政府は慎重な姿勢を示している。オランダ外務省の報道官は「他国の立法案についてコメントする立場にはない」と述べた。報道では、ASMLも個別の見解を示していないという。
一方、中国の対抗措置としては、レアアースの統制強化が取り沙汰されている。報道によると、中国代表団は最近、研究施設や製造企業を訪問し、採掘や生産、商用化での協力を強調した。西側のハイテク企業の懸念は原材料の確保にとどまらず、中国がレアアースの精製・加工と、それを用いた製品製造でも優位にある点に向けられている。