Samsung ElectronicsとSK hynixが、2026年1~3月期(第1四半期)も市場予想を上回る業績を確保するとの見方が強まっている。DRAMとNANDの価格上昇が収益を押し上げるなか、両社は好調なメモリ事業を足場に、次の成長戦略の具体化を急いでいる。
Mirae Asset Securitiesは、Samsung Electronicsの第1四半期の営業利益を41兆3000億ウォンと予想した。前四半期比では105.9%増となる。Kiwoom Securitiesは43兆ウォン(同115%増)、IM Securitiesは45兆3000億ウォン(同126%増)と見積もっており、市場コンセンサスを最大で約15%上回る水準となる。
SK hynixについては、Hana Securitiesが36兆9000億ウォン(同92%増)、IM Securitiesが39兆4000億ウォン(同105%増)と予想した。DRAMの平均販売単価(ASP)が前四半期比で62~71%、NANDのASPも53~80%上昇したことが、業績上振れの主因とみられている。
Samsung Electronicsは第1四半期、メモリにとどまらない事業ポートフォリオ強化の動きを打ち出した。NVIDIAの「GTC 2026」では、GroqのLPUをSamsung Electronicsの4ナノファウンドリで量産する方針が明らかになった。
出荷は第3四半期を予定する。前年のTesla向けAIアクセラレーター受注に続く大型顧客案件となる見通しだ。Mirae Asset Securitiesは、ファウンドリ部門が足元で1兆ウォン台の赤字を計上している一方、新規顧客の獲得と製品受注の拡大により、下期には黒字転換が視野に入ると分析している。
HBM4の競争力も鮮明になってきた。Samsung Electronicsは「ISSCC 2026」で、HBM4のピン当たり速度が最大13Gb/sに達したと公表した。4ナノのFinFETベースのロジックダイを採用した成果で、メモリとファウンドリのシナジーが本格化する事例として注目を集めている。
さらに、4F2構造をHCB(ハイブリッド銅ボンディング)ベースのW2Wボンディングで実証した。先端パッケージングまで含めたフルスタック製造体制をアピールする格好だ。Kiwoom Securitiesは、HBM4で技術優位を確保できれば、HBM市場でのシェア拡大につながる可能性があると指摘した。
◆メモリ高騰局面で分かれる両社の次の一手
一方、SK hynixは企業価値の再評価につながる基盤整備に軸足を置く。先月、同社は米証券取引委員会(SEC)に対し、ADR上場に向けた申請書を非公開で提出した。Hana Securitiesは、グローバルのビッグテックが集まる米国株市場で評価の見直しを狙う戦略だと分析している。
顧客企業との長期供給契約の協議も進めている。今回は前受金や違約金など、従来より拘束力を強める条件が盛り込まれる可能性が取り沙汰されている。Hana Securitiesは、こうした拘束力のある長期契約がメモリ業界の変動性を抑える要因となり、バリュエーションの引き上げ材料になり得るとみている。
メモリ市況が急伸するなか、Samsung ElectronicsはファウンドリとHBM4を軸にしたフルスタック戦略を、SK hynixはADR上場と長期契約の強化を、それぞれ次の成長ドライバーとして打ち出している。今後は、第2四半期以降のメモリ価格交渉の行方と、Samsung Electronicsのファウンドリ受注拡大が、両社の構造転換のスピードを左右する焦点となりそうだ。