SK Eternixの株価が急騰している。中東情勢の緊迫化を背景に再生可能エネルギー関連株へ資金が向かうなか、同社株は25日時点で5万6300ウォンとなり、4日の取引時間中安値2万950ウォンから168%上昇した。市場では短期的なテーマ買いとの見方もあるが、発電資産の保有・運営を軸とする事業モデルや増益基調を踏まえれば、業績に裏打ちされた上昇かどうかが今後の焦点となる。
米国とイランの衝突を受け、原油やガスなど化石燃料の供給不安が強まっている。こうした地政学リスクを背景に、代替電源として再生可能エネルギーへの関心が高まり、国内株式市場でも関連銘柄に買いが入った。
SK Eternixは太陽光、風力、燃料電池、ESS(エネルギー貯蔵システム)を手掛ける。業界で一般的な「開発後売却」ではなく、発電資産を自社で保有・運営する戦略を採っている点が特徴だ。
収益基盤の中核となるのが、再生可能エネルギー供給認証書(REC)の長期固定価格契約だ。20年契約で販売することで価格変動の影響を抑え、安定収益の確保を図る。
事業ポートフォリオは太陽光、風力、燃料電池、ESSで構成する。太陽光は現在約180MWを運営しており、2026年からは年間150〜200MW規模へ拡大する計画だ。
風力は陸上158MWを運営する。建設中のウィソン・ファンハクサン風力(99MW)が完成すれば257MW体制となり、国内最大級の民間陸上風力事業者となる見通しだ。
洋上風力はシナン・ウイ(390MW)と仁川・クルオプ島(755MW)を含む計1345MWを開発中。燃料電池は現在6カ所で129MWを運営しており、建設中の71MWが加われば累計200MWの運営体制となる。
業績も拡大基調にある。SK Eternixの事業報告書によると、2025年通期の売上高は3856億ウォン、営業利益は530億ウォンで、前年に比べそれぞれ16%、41%増加した。
このうち再生可能エネルギー部門は、売上高が3489億ウォン、営業利益が590億ウォンで、前年からそれぞれ14%、39%増えた。ESS部門も売上高368億ウォン、営業利益87億ウォンと、売上高が33%、営業利益が74%伸びた。主力2部門がそろって増収増益となり、収益基盤の強さを示した。
総資産は前年の7317億ウォンから1兆3171億ウォンへと約80%増加しており、事業規模の拡大ペースも速い。
ESS事業では、国内のピークカット用途市場で約20%のシェアを持つ。米テキサスでは100MW規模の案件を完工し、海外展開も進めている。
同社はESSを基盤にエネルギーデータの分析力を高め、将来的には仮想発電所(VPP)事業者への展開を目指す。顧客のエネルギー消費データを分析し、電力網の課題解決に資するソリューション企業へ事業領域を広げる構想だ。
中長期の成長ドライバーとしてはSolanixも注目される。Solanixは、SK Eternixの太陽光発電資産を対象とした金融ストラクチャリング事業で、発電所を自社で保有・運営し、そこから生まれるキャッシュフローを裏付けに金融商品を組成する仕組みだ。
同社は太陽光発電資産を買い入れて保有・運営し、「Solanix1号」などの金融ストラクチャリング商品を通じて収益拡大を図る。事業規模は2024年の40MWから2025年には約130MWへ拡大し、2026年以降は年間150〜200MWまで増やす計画としている。
Kiwoom Securitiesは、Solanixの売上高が2025年に364億ウォン、2026年に490億ウォンとなり、2029年には1000億ウォンを上回ると推計している。
第11次電力需給基本計画によると、2025〜2030年の半導体・データセンター向け電力需要は年平均6.7テラワット時(TWh)ずつ増える見通しで、再生可能エネルギー需要の拡大も予想される。
もっとも、不確実要因も残る。筆頭株主の保有株売却を巡る不透明感だ。Kiwoom Securitiesは、外資系インフラファンドが買収した場合、投資規模や事業範囲が拡大する可能性がある一方、中長期的には株主還元の要求が強まる可能性もあると指摘した。